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「時間のムダ」意味ない会議が生まれる根本的原因 議論の前に「良い会議」を定義できていますか?

東洋経済オンライン / 2024年6月27日 16時0分

では、なぜファシリテーターが必須なのでしょうか? なぜこれからもっと必須になっていくのでしょうか? それは、一言で言うと、世の中の問題解決が難しくなってきているからです。

一昔前こそ、欧米型の経営知識で現状を整理し、あるべき論を打ち立てれば、それが正解と呼ばれていたかもしれません。しかし、今の時代、問題はあらゆる要素が絡み合い、一筋縄では解決ができなくなっています。学校で学べるような経営手法やフレームワークを使えば簡単に正解が出るような単純な時代ではないのです。

VUCA(Volatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguityの頭文字を取った造語)という言葉が聞かれて久しいですが、私たちは、今、不確実性の高い時代に生きています。

時代や環境の変化とともに、人々の趣向は変化し、業界におけるルールも徐々に変化していきます。何かをきっかけにそのルールが一変し、昨日まで覇者だった企業が凋落し、名も無き企業が突然台頭してくることもあります。昨日まで“正解”だったことが、気づけばいつの間にか“不正解”にもなってしまうのです。

ファシリテーションの前提となる「良い会議」の定義

そういった時代で必要な力は何でしょうか? 私は「適応力」だと考えています。

市場の変化にいち早く気づけるか、その変化が生じている理由に対して鋭い仮説が出せるか、その仮説に基づいて適切な行動ができるか。そして、当初設定した仮説が間違っていれば、迅速に軌道修正ができるか。環境変化に真っ先に気づけるのは、マネジメントではなく現場の方々です。

現場の暗黙知を集め、可視化し、経営に生かすことが求められます。また、幅広な知識を持つジェネラリストだけでは対処できない問題に対しては、あらゆる専門家を集めて、多面的に分析し、次の一手を見いだす必要があります。

いずれも、明確な論点を定め、参加者から有益な意見を引き出し、現時点における「最も妥当な解」を導出できるスキルが必要です。それがファシリテーションであり、組織の「適応力」を担保することにつながるのです。

これからファシリテーションのエッセンスについて解説していくわけですが、大前提として、「良い会議」というものを定義しておく必要があります。

どのような会議が良くて、どのような会議がダメなのか。その目線合わせをしておかないと、ファシリテーターとしての目指す姿が決まりません。
何事もゴール設定があったうえで、そのゴールにたどり着くために何が必要なのか、といった逆算思考が重要です。ファシリテーションに関しても同様です。「良い会議」を自分の言葉で定義して、しっかりイメージを持つことが肝心でしょう。

「良い会議」の3つのポイント

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