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僕が面接で「超優秀な学生」を見抜けなかった後悔 就活生に教わった「社会人として最強の能力」

東洋経済オンライン / 2024年6月27日 8時0分

昔から人間は家族や仲間、地域の中で支え合って生きている。お金が発明されてからは、知らない人々とも協力できるように社会が広がった。つまり、お金という道具は協力者を増やすための道具である。

こうした社会のしくみを考えると、彼のように、仲間を増やす力が最も重要な能力だと言えるだろう。

「アフリカの人が自走できる社会を作りたい」

さて、当時の彼の話には続きがある。

無事にメガバンクとの大きな取引も約定してしばらくした頃、彼は偶然にも僕と同じマンションに引っ越してきた。

彼のプライベートを垣間見ることになった。音楽をかけてテラスでバーベキューを楽しんでいる姿を見かけた。

いわゆる「パリピ」、そんな印象だった。

僕も彼のホームパーティに誘われた。パリピたちと話が合うのか不安だったが、参加してみると彼やその友人たちの意外な一面を知ることになった。

「彼らと、アフリカ支援しているんすよ」

そう言いながら、彼が見せてくれた写真にはアフリカの子供たちがたくさん写っていた。

アフリカのスラムには、ご飯が食べられなくて教育も受けられない子たちが多くいる。

その子たちのために学校を作ったり、寝泊まりできる場所を作るために支援しているという。その支援とは、ただお金を集めるだけではない。卒業旅行でアフリカを訪れて以来、毎年アフリカに行って自分の手足を動かして支援をしていた。

「いつか、アフリカの人が自走できる社会を作りたいんです」

夢を語る彼の名前は、銅冶勇人(どうや・ゆうと)。

10年前、銅冶さんは会社を辞めて、夢に向かって歩き始めた。アフリカで作った服を売るアパレルブランドCLOUDYを立ち上げた。

最近、テレビなどのメディアで見かけるようになったし、大活躍しているようだ。彼は自信がないことは仲間に頼ることができる。それこそが、彼の強さなのだろう。

お金の役割や社会の仕組みを伝えるために、小説『きみのお金は誰のため』を執筆した際、さきほどの銅冶さんと宮台さんの話は非常に参考になった。

「仲間作りの秘訣」とは何か?

銅冶さんは、「堂本さん」というキャラのモデルになっていて、小説の中でも活躍してもらっている。

堂本は切実な表情で、現地のことを詳しく教えてくれた。

「世界中から服が送られてくるせいで、特に西アフリカには高いお金を払って服を買う人がほとんどいません。現地で服を作っても売れないから、産業が発展しないんすよ。だから、アフリカで作った服を、日本に持って来て売っているんすよ」

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