100万円超の被害も!「サポート詐欺」の悪質手口 「偽警告サイト」へのアクセスは65歳以上が4倍
東洋経済オンライン / 2024年6月27日 9時0分
昨今、「サポート詐欺」と呼ばれる手口が急増している。インターネット使用中に「ウイルスに感染しました」などと嘘の警告が表示され、架空のサポートサイトに誘導されて金銭を要求されたりする。
こうした詐欺サイトにアクセスする端末数は増えており、中には100万円を超える高額請求の被害もあるようだ。その手口や対策とは。
重大な社会問題となっている「サポート詐欺」
今日では誰もがサポート詐欺に遭遇する可能性がある。「サポート詐欺」とは、マルウェア感染など偽のセキュリティ警告を画面に表示するなどしてテクニカルサポートに誘導し、サポートを名目に金銭を騙し取ろうとする詐欺行為を指す。海外では2008年、日本では2015年から確認されている。
近年は、正規のクラウドサービスを悪用することで十分な本人確認がなくても簡単に偽のセキュリティ警告サイトを構築できるようになっている。また、銀行振込(オンラインバンキング)やギフトカードを繰り返し購入させることで1件あたりの被害額が高まり、高収益化の傾向にある。このような状況で犯罪者は活動を強化しており、手口の巧妙化や悪質化、被害の増加が懸念されている。
トレンドマイクロのサポート窓口における相談件数は、2023年第4四半期(10~12月の3カ月)で1665件と、前年同期比で3.5倍と過去最多数に達した。
また、2023年には100万円を超える高額な金銭被害も複数確認している。
サポート詐欺サイトにアクセスした端末の月間平均台数は約25万台で、フィッシングサイトにアクセスした端末の月間平均台数である約21万台と比較して約1.2倍に上ることがわかった。今や、サポート詐欺は日本のインターネット利用者にとって身近な最大級の脅威の1つであり、インターネット利用者はその手法と対処法を早急に理解しておく必要があるのだ。
狙われる日本、高齢者の被害が顕著に
サポート詐欺は、アメリカやイギリスなど英語圏の国で被害が確認された後、日本を含む非英語圏へと被害が拡大したことがわかっている。日本がサポート詐欺のターゲットになる理由としては、
・治安がよく、日常生活で犯罪被害に遭った経験が少ないため、詐欺に対する警戒心が比較的低いこと
・経済的に豊かであり、高齢者が多いため、お金を取りやすい標的に見えること
・機械翻訳の精度が上がり、言語の壁を越えて日本人をターゲットにするのが容易になったこと
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