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100万円超の被害も!「サポート詐欺」の悪質手口 「偽警告サイト」へのアクセスは65歳以上が4倍

東洋経済オンライン / 2024年6月27日 9時0分

が考えられる。実際に犯罪者同士のやりとりの中に、日本人へサポート詐欺を行うために、日本語が話せるエージェントを求める投稿や日本語が話せるエージェントの提供を持ちかける投稿を確認している。

また年齢別に見ると、高齢者の被害が顕著だ。Google広告経由で偽セキュリティ警告サイトへアクセスした人の年齢別割合を見ると、65歳以上の高齢者が、65歳未満の層と比較して4倍以上となった。

技術的な用語や偽の脅威に騙されやすい傾向にある高齢者をどのように守っていくのかが肝になる。

家族や周囲の方々には、日頃から高齢者とコミュニケーションをとってサポート詐欺の存在や手口を伝えること、そして何かあった時に相談しやすい雰囲気や環境を作って支えることが求められるだろう。

被害に遭うきっかけは不正広告

サポート詐欺のプロセスには3段階ある。まず最初に、被害者が不正広告等を通じてセキュリティ警告表示を目にし、コールセンターへ誘導される「誘導」(※1)。次に、偽のコールセンターの担当者とのやりとりを通じて遠隔操作ソフトによる操作が実行される「操作」。そして最後が、金銭を要求されたり、システムの不正改変が行われる「搾取」だ。

サポート詐欺は段階的に進行し、被害者の不安をあおりながら徐々に信頼を得て、最終的に金銭的被害や情報被害(情報漏洩や情報の不正利用など)につながる。

被害に遭う最初のきっかけとなる、「不正広告」を利用した偽セキュリティ警告サイトへの誘導は、以前からその存在が知られていたが、2023年にこの手口での被害が多数報告されたことで、より深刻な問題であることが明らかになった。実際、トレンドマイクロのサポート窓口への問い合わせでは、金銭被害に遭った人の約6割がGoogle広告経由でサポート詐欺サイトに誘導されていたことがわかっている。

広告の内容は災害や時事問題、マッチングサービス(出会い系)、旅行など多岐にわたり、人気のある情報サイトやブログサイトなどに掲載されるため、多くの人目に触れる。

しかし、Web閲覧中に多数表示される広告の中から不正広告を判別するのは一般的に難しいのが現状だ。強いて言えば、2023年にサポート詐欺への誘導目的で使われた不正なバナー広告には下記の特徴を持つものが多かったため、こうした特徴から怪しいと気づける可能性はあるだろう(※2)。

・何の広告だか一見してわからないが興味をそそる内容である
・「ここをクリック」「次へ」などクリックを誘発させるような広告である
・広告主の身元確認が完了していない
・広告主の身元確認が完了していても広告主の名前で広告主について明確に調べられない

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