ホンダ社長が語る「2040年脱エンジン」の行程表 ホンダならではの魅力的なBEVを実現できるか
東洋経済オンライン / 2024年6月28日 13時0分
そして3つ目の方策が「生産技術・工場の進化」である。
ギガキャスト、メガキャストなどと呼ばれる、要するに6000トンクラスの高圧ダイキャストマシンが導入される。まずはオハイオに作られるバッテリー工場の薄型バッテリーパックの製造ラインに導入され、これにより60以上にもなる構成部品、付帯部品の数を5部品にまで削減するという。
さらに日本の栃木にある研究所にも、やはりメガキャストマシンが導入されて、現在は量産性の検証が行われている。将来的にはボディ骨格部品への適用拡大も検討しているということだ。
その他に複数のモデル、商品の進化に柔軟に対応できるフレックスセル生産システム、生産能力最適化に繋がるデジタルツインの導入などが、カナダのバッテリー工場にまず導入される。一方、当面は内燃エンジン車の混流生産が行われ、EV専用工場へとスムーズな移行を図っていくという。
この「生産技術・工場の進化」は、何よりコスト低減に大きく貢献する。バッテリーコストは2020年代後半にはマイナス20%、生産コストは専用工場でマイナス35%を実現するという。ROS 5%という強気の目標設定には、こうした裏付けがあるわけだ。
10年間で10兆円を投資
ただし、それを実現するための投資額も半端じゃない大きさになる。2021年度を起点とした2030年度までの10年間に於けるソフトウェア、バッテリー、モノづくり各領域への投資額は実に10兆円に及ぶ。
「とてつもない数字で、言うのは結構勇気が要ったんですよ(笑)。でも、やらなきゃどうなるのかと言えば、やはり会社が潰れるって思っているので、決して無謀ではない。もちろん、議論もあったし色々なご意見はあるんだけども、われわれとしては前に進もうと決めたので、そこを明確に発表したということです」(三部)
そのためのキャッシュを創出するのは現時点では内燃エンジン車とHEVであり、実はその体質強化も2030年に向けた大きなテーマとなる。2030年、あるいはそれ以降に向けたホンダの4輪ラインナップの目論見、そして内燃エンジンの今後についても見てみよう。
ホンダが近い将来に見据えているBEVラインナップは、実はCESで発表されたゼロシリーズだけに留まらない。ゼロシリーズ以外にもBEVが投入される予定だし、中国ではすでに別のラインナップ展開が進んでいる。アメリカにはアキュラがあり、また日本の事情もそれらとは当然違っている。
この記事に関連するニュース
-
ホンダが赤い新型「プレリュード」初公開! 美麗すぎる「スペシャリティクーペ」登場!? HV25年記念で欧州で復活
くるまのニュース / 2024年7月9日 12時10分
-
日産「シルビア」復活する!? “アツい走り”実現する「新型シルビア」待望論! クルマ好きが待ち望む「理由」とは
くるまのニュース / 2024年6月28日 11時50分
-
スバル「水平対向エンジン」継続を明言した意味 EVと並行してカーボンニュートラル燃料対応へ
東洋経済オンライン / 2024年6月22日 12時0分
-
レンジローバーのPHEVがかなり安くなってる! 理由は?
マイナビニュース / 2024年6月21日 11時0分
-
これはトヨタの勝利宣言だ…中国・欧米の「国策BEV」を尻目に開発続ける新型エンジンの中身
プレジデントオンライン / 2024年6月19日 10時15分
ランキング
-
1実は「ポイ捨て」しまくっていたキャベツの栄養 科学で解明「芯はおいしくない」と思うなかれ
東洋経済オンライン / 2024年7月15日 15時0分
-
2「子どもは無料」で簡単につられる大人たちの盲点 企業側の仕掛けには「わかったうえで」乗りたい
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 9時0分
-
3“新しい働き方”として定着すると思いきや…コロナ禍を経た今になって、強硬な「リモートワーク廃止論」を示す企業が現れた理由
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月16日 7時15分
-
4「面白くない」「嫌い」教師が落ち込んだ生徒の言葉 1位は男女共通 教えた後にキツい一言
よろず~ニュース / 2024年7月16日 7時30分
-
5カップみそに入ってる「白い紙」は捨てる?捨てない? 気になるギモンをメーカーが解説!…正解は?
まいどなニュース / 2024年7月16日 14時35分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)