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有望な若手の将来を脅かす「男女トラブル」事件簿 私生活のもめごとがSNSで暴露され大問題に

東洋経済オンライン / 2024年6月28日 8時30分

社員のプライベートでの問題が、会社を巻き込む大事件に発展することも……(写真:Fast&Slow/PIXTA)

組織をより良くするための“黒子”として暗躍している、企業の人事担当にフォーカスする連載『「人事の裏側、明かします」人事担当マル秘ノート』。現役の人事部長である筆者が実体験をもとに、知られざる苦労や人間模様をお伝えしています。

連載4回目は、私生活での男女間のトラブルが、会社を巻き込む事態に発展し、本人の社会生活にも大きな悪影響を及ぼしたケースを紹介します。

婚約破棄された女性からの報復

「萬屋くん、これ、どうにかしてくれないか」

【画像】新たな出会いの場となっているマッチングアプリだが、相手から投資などを勧められたり、高額な飲食代を請求されるなど、さまざまな被害を受ける例も多発

大手メーカーの人事部に勤務時代、研究開発部の役員から突然呼び出された私は、あるものを目の前にポンと差し出された。その投げ捨てるかのような動作と、荒々しい声のトーンから、役員が明らかに立腹しているのが伝わってきた。

差し出されたものとは、見ず知らずの女性から届いたという、結婚式の招待状。そこに添えられていた直筆の手紙を読むと、驚きのあまり、思わず手が震えた。

手紙の文面は大幅に端折るが、およそこういった内容が書かれてあった。

〇〇さま(役員の名前)

~中略~
これは、貴社研究開発部に所属するAさんと私が、×月×日に結婚するはずだった挙式の招待状です。Aさんのふしだらな行動により、突然婚約を破棄され、私は生きる気力を失うほど大変傷つきました。そのことを会社の上長の方にも知っていただきたく、ご連絡した次第です。どうぞよろしくお願いいたします。

確かに、招待状の新郎の欄を見ると、入社3年目のAさんの名前がしっかりと刻まれている。私は「まさか彼が……」と、頭を抱えてしまった。

というのも、Aさんは新卒採用時に、私が面接を担当し、最終的に内定を出した人物。爽やかな好青年で地頭も良く、入社後も研究開発に熱心に取り組んでいた。すでに将来のリーダー候補として名前が挙がるほど、部門内でも一目置かれる存在。それだけに、この一件はショックが大きかった。

役員はひどくあきれた様子で、「この件は人事に任せるから、Aに事情を聞くなり、なんとか収めてくれ」と一言。私は事情を把握すべく、早速Aさんにヒアリングを試みた。

将来有望な若手の評価はダダ下がり

Aさんに手紙と招待状を見せると、一瞬で顔が青ざめた。「これってどういうことか、聞いてもいいかな?」と問いかけると、ポツリポツリと事情を明かした。

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