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元メルカリ幹部がタクシー業界に乗り込んだ事情 日本版ライドシェア普及へ台風の目になれるか

東洋経済オンライン / 2024年6月29日 11時30分

普及、浸透してから事業を始めるのではなくて、「普及するかもしれないな」という段階から走り出すと、最も使われるサービスになりうる。完全なリスクテイクではあるが、「もしかしたらライドシェアがついに来るのかも」と感じた。コロナ禍があってタクシードライバーの数が減ったという背景などから、自分なりの確信があった。

――現状、日本版ライドシェアの運送主体はタクシー会社に限定されています。newmoはライドシェア事業に参画するため、3月には岸交への出資を発表しました。タクシー業界に参入する難しさはありませんか。

青柳 これは批判ではなく現状認識として、タクシー業界は極めて参入障壁が高く、閉鎖的だ。家業としてタクシー会社を代々やられてきた方が多く、昔からのベースもあるので、入っていくのはなかなか難しい。

何度も壁にぶち当たって絶望した。「今さら新しい配車アプリなんてありえない」と言われて門前払いを食らうのが去年までだった。しかし、そんな状況がこの半年でだいぶ変わってきたと思う。

すでに各地域で、限定的ではあるがライドシェアが始まっていて、タクシー会社の方々は「ライドシェアはいずれ解禁されていくものだよね」と少しずつ覚悟を決められている。以前は話を聞いてもらえなかった会社でも、話をしてくれるようになってきた。

宮崎 岸交の案件は、先進的な考えを持つ同社トップと偶然にもつながることができ、そういったラッキーな出来事が重なった。1月中旬ごろに詳細を詰め始めて、2月中には話がまとまった。

このスピード感は特殊だと思うので、もう少し(M&A1件ごとの)時間はかかるだろう。

M&Aなどでタクシー車両数3000台へ

――今年は何社に出資・買収をする、などといった目標は?

青柳 目標という形では置いていない。会社設立からこの4カ月間で資本参加を1件行ったわけだが、買って終わりではなく、その後も現場でご一緒して、しっかり経営していくことを考えると、最初は(多数のM&Aを)同時にはできない。

今年は資本参加した岸交や、今後(M&Aを)広げていった先のタクシー会社の経営改善を中心に取り組むことになると思う。

宮崎 タクシー会社は規制の関係からか、オーナー一族が営業地域ごとに複数の法人を立て、「連結ではないファミリー経営」をしていることが多い。ただ、それ以外に大きな特殊性はなく、いろんなジャンルの会社をM&Aしてきた経験が生かせていると感じる。

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