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楽天モバイル「プラチナバンド」ともう1つの武器 使えるツテをすべて注いで業界首位を目指す

東洋経済オンライン / 2024年7月2日 11時30分

700MHz帯基地局を介した試験通話に臨む楽天モバイルの三木谷浩史会長(筆者撮影)

楽天モバイルは2019年に“第4のキャリア”として新規参入を果たして以来、全国にエリアを拡大してきた。契約数は2024年4月に700万回線を突破し、他キャリアの背中が見える状況となってきた。一方で、度々指摘されてきたのがエリアの狭さだった。特にビルの奥まった場所や地下街では電波が届きにくいという課題があった。

【図で見る】楽天モバイルに割り当てられた700MHz帯・通称「プラチナバンド」。ほかのキャリアと比べて帯域が狭い

その状況を打開すべく、2023年総務省から割上げを受けて準備を進めてきた“プラチナバンド”がいよいよ始動。同社は携帯電話エリアの拡充に関する発表会を2024年6月27日に開催し、700MHz帯の基地局を介したビデオ通話を行うデモンストレーションなどを披露した。

われわれが本当に熱望していたもの

総務省から割り当てられた700MHz帯は、携帯電話エリアの設備に欠かせない周波数帯域で、プラチナバンドが通称だ。壁などに当たっても浸透しやすい特性を持つ。

プラチナバンドによって、ユーザーの通信環境は大きく改善され、特に電波の届きにくかった場所での通信品質向上が期待される。都心のオフィスビルの谷間のような場所でも、LINEやメールがストレスなく使えるようになるだろう。

三木谷浩史会長は「プラチナバンドは、われわれが本当に熱望していた最終的な兵器……と言うと怒られちゃうかもしれないが、大変重要なもの」と強調する。

さらに、5G関連でも進展があった。特に関東圏では、衛星との電波干渉問題が解決する。これにより5G基地局の出力を増強でき、安定して通信・通話が行えるエリアの拡大が見込める。

楽天モバイルが総務省から割り当てを受けた700MHz帯は、携帯電話エリアの整備に欠かせない周波数帯で、プラチナバンドは通称だ。壁などに当たっても浸透しやすい特性を持つため、エリアの半径を拡大するときに活用しやすい。

三木谷会長は「海外キャリアの関係者からはプラチナバンドは数千億円の価値がある。よく獲得できたと言われた」と胸を張るが、獲得までの道のりは平坦ではなかった。

当初、楽天モバイルは既存キャリアが持つプラチナバンドの一部再配分を総務省に求めていた。これに既存キャリアが強く反発。議論の末、NTTドコモが妥協案を提示した。それが700MHz帯のガードバンド(干渉防止用の未使用帯域)の活用だった。この“隙間”を削り出す形で、楽天モバイルの700MHz帯が誕生したのだ。

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