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楽天モバイル「プラチナバンド」ともう1つの武器 使えるツテをすべて注いで業界首位を目指す

東洋経済オンライン / 2024年7月2日 11時30分

5Gは3.7GHz帯の電波を使用するが、この周波数帯は衛星放送受信設備も利用している。そのため、衛星地上局付近では5Gの出力を抑える必要があった。

しかし、対策工事の進展によりこの問題が解消された。その結果、5G基地局の出力を増強できるようになった。楽天モバイルは、この出力向上を5月から年内にかけて順次実施する方針だ。

三木谷会長は「出力アップにより、5Gを使っていただく方の1基地局あたりのトラフィック量が約2.3倍になる」と述べ、5G利用が浸透していることを強調した。

また、三木谷氏は4Gと5Gの間のハンドオーバー(切り替え)がスムーズに行えることも、楽天モバイルの強みとして挙げた。つまり、街中を動き回っている時に、4Gと5Gの切り替えのタイミングで通信が途切れたりすることなく、快適に利用できるネットワークになっているという。

この衛星通信の出力問題はKDDIとソフトバンクも同様に直面していた。KDDIは6月にSub6エリアを関東地方で2.8倍に拡大したと発表している。

KDDIローミングこそ真の最終兵器か

楽天モバイルには、もう1つの切り札がある。KDDIとのローミング協定だ。

この協定により、楽天の整備が追いついていない都心の商業施設内などで、KDDIの4G LTE回線を借りてエリアを補完できる。当初、このローミング協定は楽天の新規参入を後押しするための一時的な措置で、段階的に縮小する予定だった。

ところが、三木谷会長は「KDDIとのローミング系のネットワークをさらに拡大していく」と、むしろ積極的に活用する姿勢を示している。

他社の力を堂々と借りられることが、楽天モバイルにとって真の“最終兵器”なのかもしれない。

石井 徹:モバイル・ITライター

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