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「Vision Pro」世界展開で改めて俯瞰するXR業界 生成AIとセットで進化する空間コンピューター

東洋経済オンライン / 2024年7月2日 17時0分

そのタイミングとして“現在”が適切かどうかは議論の分かれるところだろうが、様々なデジタルメディアが空間データ化しているトレンドの中では期待が持てると考えている。

オーディオの空間表現技術が進歩し、空間オーディオ、オーディオレイトレーシングなどの技術要素は、一般的に使いやすいものになっている。3Dモデリングもカジュアル化し、誰もが使えるツールとしてBlenderが普及。モデリングスキル習得のハードルが大幅に下がっている。さらにフォトグラメトリ、点群3Dスキャンといった技術の進歩で、シーンのモデリングも容易になり、映像制作におけるバーチャル制作の普及といったトレンドも考慮すると、ハードウェアを取り巻くソフトウェア環境も着実に整ってきている。

空間コンピューターに進歩をもたらす生成AI技術

生成AI技術も、空間コンピューターに対しては大きな役割を果たすと見ている。音声入力など自然言語インターフェースの劇的な質の向上は、ユーザーインターフェース技術の革命的な進歩をもたらすきっかけになるはずだ。利用者の日常的な使い方や、個人的に管理している情報を学習して高精度な提案を行う技術も、アップルがApple Intelligenceとして提供を始めようとしている。

各種データの空間化においても、不足するデータをAIで容易に保管することができる。将来は生成AIを用い、リアルタイムで空間描写の補完や超解像による自然な描写といったプロセスがデバイスにも入っていくだろう。

新しいデバイスと考えられてきたスマートフォンでさえ、既に15年を超える歴史がある。その中でマルチタッチユーザインターフェースは揉まれてきた。ではスマートフォンですべてをカバーできているかといえば、決してそうはなっていない。

空間コンピューターもスマートフォンの基礎になっているマルチタッチユーザーインターフェースと同様に、新しい人間とコンピューターの関係を作るジャンルとして従来のコンピューティングの流れにプラスする形で定着していくのではないかと予想している。

本田 雅一:ITジャーナリスト

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