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東武日光線「ギリギリ埼玉県内」の3駅に何がある? 群馬・栃木・茨城の県境近い栗橋から柳生まで

東洋経済オンライン / 2024年7月3日 7時30分

水辺の町という点を除くと基本的には椎名駅長が預かる3駅は、通学の学生が中心でそこに通勤客が加わるという、典型的な首都圏近郊路線の特徴を持つ。

栗橋駅の近くには埼玉県立栗橋北彩高校が、また柳生駅の近くには開智未来中学・高校がある。開智未来中高には栗橋駅からバスも出ていて、実質的な玄関口は栗橋駅といってもいい。つまり、朝の通学時間帯、栗橋駅はたくさんの学生でにぎわう駅なのだ。

「あとは、工場の送迎バスも栗橋駅の西口から出ているので、朝は行列ができています。そして何より、栗橋駅はJR線との連絡線があって、直通の特急が東武日光線に入ってくる駅でもあります」(椎名駅長)

JR連絡線がある駅ならではの特徴はほかにもある。

最近で言えばスペーシア Xなど、新造の車両の引き渡しもこの駅でやっているんです。JR貨物さんの機関車で入ってきて、ウチの機関車が引っ張って南栗橋の車両基地まで持っていく。引き渡しは終電後ですが、鉄道ファンの姿もちらほらとありますよ」(椎名駅長)

JR線から東武日光線に直通する特急は、いったんJR構内の連絡線に停車して乗務員が交代。その後、デッドセクションを通過して東武の線路へと転線してゆく。かつて、日光への観光客輸送を巡って激しくぶつかり合った好敵手が、いまはタッグを組んで日光・鬼怒川へ観光客を運んでいるのである。

要衝の駅の1つ隣は?

そんなちょっとした要衝の駅である栗橋駅のお隣は、新古河駅だ。駅名は新古河でも、所在地は古河市ではなく埼玉県は加須市内。駅東口の土手を登って渡良瀬川を渡ると、埼玉県から茨城県に入って古河市の市街地が見えてくる。

「新古河駅周辺は向古河という地名で、歴史的にも渡良瀬川を挟んだ古河の町との結び付きは強かったのだと思います。古河の市街地への玄関口という意味合いもあったのかもしれません」(椎名駅長)

いまは西口には東武系列の住宅地があって、そちらが正面のようになっているが、本来は土手に面する東口が正面だったように思える。東口の駅前では昔ながらの風情ある食堂が営業している。

訪れたときには田舎町の駅のようでとくに人が盛んに行き交うような風景も見られなかったが、そんな新古河駅は8月にビッグイベントを控えている。渡良瀬川の河川敷に設けられたゴルフ場を舞台に行われる、花火大会だ。

「コロナ禍で開催できない時期があったので、今年は5年ぶりになるんです。打ち上げのゴルフ場はJR古河駅よりも新古河駅のほうが近く、見物に来られるお客さまの多くも新古河駅を使うと思われます。ですので、臨時列車の運転も予定していますし、当日は管区を挙げて態勢を整えてお客さまをお迎えする準備を進めています」(椎名駅長)

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