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新NISA「月3万円の運用」のままではもったいない 旧制度での「つみたて投資」の金額は見直すべき

東洋経済オンライン / 2024年7月4日 18時0分

「年間360万円だとしたら、毎月30万円? そんな多額を投資できる余裕なんてありません!」という声が聞こえてきそうなので、最初に補足します。

「貯金を一気にすべて使いましょう」などと言っているわけではありません。「年間360万円の枠を無理に使い切らなくていいのは当然。でも、もっと投資できるのにしないで貯金で眠らせておくのは、あまりにももったいない」ということです。

もっと投資にお金を回したいのはなぜなのか。その理由をさらに詳しく、これからご説明します。

同じ投資額でも「先行逃げ切り型」なら倍近く増える

新NISAでは、非課税投資上限額1800万円をいかにして早く埋めるかがポイントになってくるとお伝えしました。もちろん無理は厳禁ですが、この枠を最短の5年で埋める人と、30年かかって埋める人とでは、合計の投資金額は同じ1800万円でも、リターンが大きく変わってくるのです。

仮に年利7%だとすると、次のようになります。1800万円の枠を、【A】は30年かけて埋めた人の結果、【E】が5年で埋めた後に放置した人です。

【A】月5万=年間60万円×30年間 ⇒約6100万円(30年後の合計額。以下同)
【B】月7.5万=年間90万円×20年間  その後10年間放置 ⇒約7685.6万円
【C】月10万=年間120万円×15年間 その後15年間放置 ⇒約8745.1万円
【D】月15万=年間180万円×10年間 その後20年間放置 ⇒約1億46.8万円
【E】月30万=年間360万円×5年間 その後25年間放置 ⇒約1億1657万円

※金融庁「資産運用シミュレーション」と野村證券「マネーシミュレーター「みらい電卓」〜運用編」を併用して計算

投資金額は計1800万円で全く同じにもかかわらず、 30年後には倍近く、額では約6000万円もの差が開いてしまったのです。

だからといって、「預貯金はガンガン取り崩して投資に回そう」とか「体が壊れるまで働いて収入を増やしましょう」と推奨しているわけではありません。新NISAが最初から大金を突っ込める富裕層にメリットがある、という話をしたいわけでもありません。大前提として、非課税投資上限額が大幅に上がったからといって、無理をする必要はありません。

しかし、決して煽るわけではありませんが、当面使う予定がなく銀行に眠っている現金がある人は、知らず知らずのうちにこのような差を生むことにつながりますので、早めの運用をお勧めいたします。でないと、30年後までいかずとも、10年後くらいの期間でも、「早くもっと投資するんだった……」と後悔する気がしてならないのです。

年利7%は「希望的観測」の数字ではない

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