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小田急線の「西の要衝」足柄、知られざる駅の裏側 乗降人員最少だが、運行上の重要拠点がある

東洋経済オンライン / 2024年7月4日 7時0分

小田急電鉄足柄乗務所の建物屋上から見た足柄駅。各駅停車だけが停まる小さな駅だが運行上の重要拠点だ(記者撮影)

小田急電鉄の小田原線は1927年、当時の小田原急行鉄道が新宿―小田原間を一気呵成に開通させたのが始まりだ。その後、江ノ島線(相模大野―片瀬江ノ島間)、多摩線(新百合ヶ丘―唐木田間)が開業して現在に至っている。

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看板列車の特急ロマンスカーは、小田原から箱根登山線に乗り入れ、世界中から観光客が訪れる箱根の入り口、箱根湯本まで走る。

小田原駅の隣の足柄駅

都心側では代々木上原から東京メトロ千代田線方面と直通運転。東武スカイツリーラインやつくばエクスプレス線、JR常磐線などが乗り入れる北千住から箱根湯本へ、乗り換えなしで行ける「メトロはこね」もMSE(60000形)車両で運行されている。

小田原線の終点の小田原駅の1つ手前が足柄駅。各駅停車しか停まらない小さな駅だ。2023年度の1日平均乗降人員は3571人と、小田急の全70駅のうちでいちばん少なかった。2番目に少なかったのは南新宿の3875人。どちらも小田原線の両端にあるターミナルの1駅隣、ということになる。

2022年度の時点では南新宿駅が最少で足柄は2番目に少なかった。2023年度は都心部に位置する南新宿の乗降人員が8.0%増えた一方、足柄が0.5%減ったため、両駅の立場が逆転した。

【写真】屋上から何が見える?2023年度の乗降人員が小田急線で最少だった足柄駅と足柄乗務所の「裏側」を独占取材。白黒写真で見る昭和20年代の様子も(50枚)

足柄駅の開業は小田原線開通と同時の1927年4月1日。1980年発行の『小田急五十年史』は駅名の由来について「開通当時は足柄村に入っていたが、昔の多古村に位置する駅なので、この名をとることが内定していた。それが開通直前に『足柄』に変更になったのは、『タコ』の訓が嫌われたことと、『あしがら』は箱根の枕言葉であり、箱根急行を目指す当社としては、この名がよりふさわしいと考えたからであろう」と解説する。

一方、もう1駅新宿寄りの螢田(1952年開業)に関しては「昔の蓮生寺村に位置するので、『蓮生寺』の名が候補にあがったが、抹香くさいのが嫌われて螢田にきまった」としている。

駅に隣接する車庫線

現在の足柄駅は2面3線で、改札口は小田原方面の電車が発着する1番線ホーム北側の1カ所のみ。新宿方面の上り線の電車は跨線橋を渡った島式ホームの2番線に発着する。3番線は、線路のサビ防止の目的で電車が入線したり、土休日に通過待ちをしたりする以外はほとんど使用されていない。ホームの長さは6両分だ。

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