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フィギュアにM-1、「後攻有利」のジンクスは本当か 「50音順」や「誕生日順」の見直しも検討すべき

東洋経済オンライン / 2024年7月5日 16時30分

東京オリンピックでは、予選トップ選手と予選を最下位で通過した選手の差が、0.5点〜1.0点ほどでした。つまり理論的には、予選をトップで通過する実力がある選手でも、演技順が最初であれば予選落ちしてしまう可能性もあるわけです。

また、E得点は10点満点であり、0.01点の違いが勝負を分けることもあります。

こう考えると、1人0.008点という全体順序バイアスは競技の結果に影響を与え得ると判断できるでしょう。

世界順位の高い選手ほど有利なフィギュアスケート

全体順序バイアスのことを考えると、賞レースにおいて順序を自分で選択できる場合には後半を選ぶとよいといえます。ランダムで順序を決める際には、後半になることを祈りましょう。

「運も実力のうち」という言葉がありますが、これは順番を決めるくじ運のことを指しているのかもしれません。

また、大会の運営側は全体順序バイアスを前提としたシステム設計が求められるでしょう。

たとえば、東京オリンピックの体操では、80人ほどで予選を、8人で決勝を行なうシステムになっていました。決勝に進める人数を減らすことで、決勝では全体順序バイアスを小さくする工夫がなされているといえます。

フィギュアスケートではショートプログラムは世界順位順に、フリープログラムはショートの順位順に滑走することが通例となっています。これは、世界順位が高い選手が有利な構造になっていて、1度勝った人が連勝しやすい構造です。

勝者にアドバンテージがある状態が好ましいかどうかは人によって判断が分かれると思いますが、そうした競技特性があると理解して観戦すると、さらにおもしろくなるでしょう。

「50音順」や「誕生日順」も見直すべき?

全体順序バイアスを考慮すると、学校教育における出席番号順(50音順や誕生日順)の発表も見直すべきかもしれません。

絵画や書道の発表、作文や英語のスピーチコンテストなどを出席番号順で行なうことは当たり前のように考えられてきましたが、後半の発表者になるにつれて賞をもらえる可能性が高いと推測できます。

名字が「あ行」で始まる人や誕生日が早い人は、なにかとトップバッターになりがちですが、賞レースのたびに損をしていたといわれると、少し悔しい気持ちになります。

実技系の科目がある入学試験や、大規模大会につながる予選といった大切な賞レースに挑むときは、50音順を避けてもらう(ランダム順にしてもらう)よう運営に頼むことが、行動経済学の視点からみると妥当です。

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