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コーラを日本一売った男の心に響いた店主の言葉 肌寒い日の飲料サンプリングに客の反応は鈍く

東洋経済オンライン / 2024年7月5日 20時30分

コカ・コーラのセールス日本一を達成した男が、雨の中、試飲用のサンプルを持って走り回ったことで得た気づきとは――(画像:metamorworks/PIXTA)

偏差値50以下の地方私立大学を出て、四国コカ・コーラボトリング社に入社した山岡彰彦氏。同社はザ コカ・コーラ カンパニーの日本法人、日本コカ・コーラ社のフランチャイジーであるボトラー社の1つです。

本社勤務の同期がスーツを着てオフィスで仕事をしているのに、雨風にさらされて外回りをしている自分に情けなさを感じ、商品を運びながら逃げ出したくなるような毎日を過ごしていました。

ときには理不尽に客先から叱られることも。自分が目指すものは何なのか、ぐるぐる考えながら過ごしたルート営業の日々に、先輩や上司、得意先から言われた言葉やアドバイスが、山岡氏をセールス日本一へと導きます。

そんな山岡氏が体験とは――。『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』より一部抜粋・編集してお届けします。

お店のためになっていますか?

コカ・コーラ ナショナル セールスでの配属先は、関東地区統括部です。担当するのは大手コンビニエンスチェーンの1社です。

コンビニエンスストアのビジネスは、本部と加盟店で構成されるフランチャイズシステムで進められ、各メーカーが提案する新商品の採否や販促策の採用如何は、チェーン本部側で決定されます。

私が担当するコンビニエンスチェーンも同様ですが、私たちの取引条件は好条件が並んでいるわけではありません。そのためコカ・コーラ社の商品は、交渉の余地なしといった厳しいところまではいきませんが、競合と比べると難しい商談を余儀なくされます。

すべての営業担当に言えることですが、商品の取引条件を勝手に変えることはできません。あらかじめ定められた納入価格、販促条件、納品までの流れがあり、多少融通を利かせることができても、その幅には限界があります。

いままでと同じことをやっていては、必ず先細りになってしまいます。

新商品を紹介し、販促策を売り込むだけではなく、これまでにない層へのアピール方法や売り場づくりといった新たな価値提案をしますが、商品が採用されてもすぐに商品登録から抹消されたり、販促策が早々に切り上げられたりと、苦戦が続いていました。

現場から考えないとうまくいかない

そんななか、ボトラー社で私の担当するコンビニチェーンの営業部隊を取りまとめている小林マネジャーから「ウチの営業会議に参加してみないか」との誘いを受けました。

彼の部隊は1軒1軒の店舗を訪問してお店の実情をつかみ、市場の変化に合わせた売り場づくりや販促を提案することが主な活動です。

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