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サハリン島「ギネス級に親切」おじさんと北の果て 稚内からフェリーで5時間半、さらに1000キロ

東洋経済オンライン / 2024年7月5日 17時0分

ついに行き止まった。 とうとう来てしまった。

サハリン島の道の北の端っこは──、北の果ては──、その謎は──。

と、もったいつけるほどのことはなくて、鉄製のゲートと砂利の山とトラック。採石場だったのである。

驚くほど普通の景色に驚いて声が出ないが、ある意味想定内だから心配は無用である。呪われたりしなかったのは張り合いがないけれど、安全第一でなにより。証拠写真を一枚撮ったあとはすることがなくなってしまった。うろうろしていると叱られそうだから、3分と滞在することなく、来た道を戻ったのである。1000キロも。

お疲れさまでした、Yuko。

採石場を見たという結果だけを語れば意味不明なドライブだけど、無駄に長い距離、未舗装、ほぼ無人島、そしてギネス級に親切なおじさん。人喰いクマの恐怖に謎なき謎の解明と思えば、いい思い出になったよね。

ぜひ、マイ秘境に認定しよう。

今回は採石場なので、楽園に昇格することはない。

帰れぬ旅のはじまり

さて、なにかと心配な軽自動車。サハリン島に降り立ったときは、あまりにも頼りなく見えて、ちゃんと走るのだろうか? と不安になったが、特に問題はなかった。

だからと言って南アフリカに行けるとは思えないけれど、残念ながら日本に引き返す理由はない。腹をくくってアフリカへ向かって走りだすことにした。

島の西側にあるホルムスク港からフェリーに乗り、船で1泊。翌日、ユーラシア大陸の本土に渡った。ここからはスペインまで地続きだ。大きな目で見れば一本道だ。

シベリアの広大な大地を前にして、相棒の軽自動車はますます頼りなく見えてきた。いやホント、大丈夫かな、こんな車で。いつまでもグチグチ言うのもなんだけど。

こののち、ボクらが乗った稚内とサハリン島を結ぶフェリーがニュースにのぼった。不景気で船が小さくなり、車は載らなくなったとのことだった。

げぇっ、帰れないじゃん!

と焦ったけれど、ウラジオストクから韓国を経由して、鳥取県の境港に着くフェリーを見つけた。

あー、びっくりした。脅かさないでほしい。無駄に股間が震えたじゃないか。しかし過日、この航路はひっそりと廃止されたのである。

帰れぬ旅は、これからが本番である。

石澤 義裕

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