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「配属ガチャ」を嘆く人と異動できる人の決定的差 米任天堂元社長の「チャンスを広げる働き方」

東洋経済オンライン / 2024年7月5日 10時0分

自らチャンスを広げられる人とそうではない人の働き方には、どんな違いがあるのでしょうか(写真:mayucolor/PIXTA)

「本当は、あんな仕事がしたいのに」「本当は、こんなポストに就きたいのに」と現状に不満を抱える若手社員も多いようです。自らチャンスを広げられる人とそうではない人の働き方にはどんな違いがあるのでしょうか。

『崖っぷちだったアメリカ任天堂を復活させた男』は、一時期、低迷していた任天堂の起死回生にアメリカ任天堂を通じて貢献したレジー・フィサメィによる企業再生の書。しかし他の企業再生本とは一味違うと話すのは起業家・経営者の池見幸浩氏だ。池見氏に本書の読みどころを聞いた。

自らチャンスを広げた著者の働き方とは

『崖っぷちだったアメリカ任天堂を復活させた男』は企業再生の書ですが、1つ、類書と大きく異なるところがあるとしたら、それは本社ではなく子会社を軸に語られている点でしょう。創業者一族でもなければ本社の社長でもなく、P&Gなどでマーケターとして実績を積んだ末に、アメリカ任天堂のセールス&マーケティングのEVP(エグゼクティブ・バイス・プレジデント)、後に社長兼COOに就任。そんな著者レジー・フィサメィが克明に記した、アメリカ任天堂復活までの道のりです。

【写真】ハイチ移民の子として生まれたアメリカ任天堂の元社長兼COOのレジー・フィサメィが35年のキャリアで学んだ教訓と哲学とは?

もちろんアメリカは、世界のゲーム業界を押さえるうえで非常に重要なマーケットです。現にアメリカ任天堂は任天堂の最大の子会社であり、その復活は任天堂そのものの復活に直結していたと言えます。ただし本社幹部に比べれば、おそらく「子会社のセールス&マーケティングの責任者、後に社長兼COO」である著者が持ちえた情報も権限も限られていたはず。だからこそ、他の企業再生本にはない読みどころがあると感じました。

その読みどころとは「情報や権限が限られている中でも、目の前の仕事を当事者意識をもってしっかりとこなすことでチャンスをつかむ」という著者の働き方、生き方を追体験できることです。

つまり本書は企業再生ドキュメントでありながら、それを通じて個人の立身出世ストーリーを読み取ることもできるのです。

ビジネス書などで、よく「一社員であっても経営者の目線で考えよ」といった文言を見かけますが、そんなことは、ほぼできないだろうというのが僕の考えです。経営者と一社員とでは、持っている情報に格段の差があるからです。事業の背景事情から隠れたリスクまで、一社員では知り得ないことがたくさんある。もちろん権限も非常に限られています。そんな立場の違いによる情報格差・権限の違いを超えて、「経営者と同じ目線で考えよ」というほうが無理筋でしょう。

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