TOPIXは日経平均より魅力的になるかもしれない 今回の東証TOPIX改革は「ビッグサプライズ」だ
東洋経済オンライン / 2024年7月5日 9時30分
東京証券取引所が6月19日にTOPIX(東証株価指数)の「ルール見直し第2弾」を発表した。ひとことで言えば、この「第2弾」は「大きなポジティブサプライズ」であり、日本株は中長期で強気のスタンスをとってもよい可能性が出てきた。
実は「第1弾後」は決まっていなかった
まず、これまでのTOPIXのルール見直し「第1弾」と「第2弾」の全体的な流れを確認しよう。
「第1弾」の見直しは、東証の市場区分再編を契機に、2022年4月から始まった。2025年1月まで段階的に時間をかけて「流通株式時価総額100億円未満の銘柄」が完全に除外される。これは現在も継続中だ。
この第1弾に続き、今年6月19日に東証の子会社であるJPX総研から「第2弾」の見直しとなる「TOPIX等の見直しの概要」が公表された。今年9月に詳細なルールが公表され、2026年10月から2028年7月まで約2年間かけて、「次期TOPIX」に段階的に移行する。その後、2028年10月からは毎年定期入れ替えも実施する予定だ。
実は、TOPIXのルール見直し「第1弾」の後は決まっておらず、「その後はどうする?」という話は、2022年の市場再編時からずっとくすぶっていた。
市場関係者の話を総合すると「東証1部もなくなって、2022年4月に東証プライム市場に移行したのはいいとして、いよいよ2025年1月には『流通株式時価総額100億円未満の銘柄』は完全に除外される。その後のユニバース(ルールの全体、投資商品の全体の意味)をそろそろ決めないと……」「『第1弾』で決まった流通株式時価総額100億円未満の銘柄の除外をダラダラやっているだけだよね。このままではダメだよね」だった。
要は、2025年1月以降、TOPIXはどんなユニバ―スになるか明確に決まってなかったのだ。いろいろと議論した結果、やっと今回「第2弾」が出てきた。まだ先の話なので、あまり気にしていない市場関係者も多いが、私はこの変化は大きなサプライズだと思っている。
というのも、個人的にも「東証プライム市場に上場している全銘柄でインデックスを作るといった可能性はそれなりにあったはずだが、それをやるとまたプライム市場にどんどん銘柄が集中するだけでなく、簡単に対象から外されないので、結局時価総額が小さい銘柄が多く含まれるインデックスになるのでは?」と懸念していたからだ。
だが、今回公表された「第2弾」のルールでは、TOPIXから時価総額の小さい銘柄が大きく減らされることとなり、国内外の投資家から評価される画期的な内容となった。
「次期TOPIXルール」の詳細とは?
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