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TOPIXは日経平均より魅力的になるかもしれない 今回の東証TOPIX改革は「ビッグサプライズ」だ

東洋経済オンライン / 2024年7月5日 9時30分

現行TOPIXから2028年10月の次期TOPIXへ向けた「第2弾」のルール変更を確認しよう。それぞれ詳細は以下の3つのポイントがある。

まず対象市場。今後はプライム市場だけでなく、スタンダード市場やグロース市場の銘柄でも時価総額が大きくなれば、TOPIXの銘柄として認めてもらえる。上位96%近辺の銘柄だと、企業は頑張ろう!というインセンティブが湧く。

今後は必然的に、相対的に努力を怠っているTOPIXの下位銘柄と、時価総額が小さくても頑張っているスタンダードとグロース市場の上位銘柄との戦いになる。いわゆる競争原理が働くことは、大きく市場の活性化につながる。日本経済そのものの活性化に大きく寄与すると思う。

2つ目は選定基準だ。その基準は2つ。今後のTOPIXは「年間売買代金回転率20%以上(実際には、上場全銘柄でこの基準を満たさない銘柄はほとんどない)」と「浮動株時価総額(の累積比率が)上位96%以内」の条件を満たした銘柄で構成するインデックスになる。

3つ目は定期入れ替えだ。定期入れ替えは10月の最終営業日で、8月のデータを使って10月に入れ替える。今までのTOPIXは、一度旧東証1部に入れば、ほとんど対象から外れることはなく地位がほぼ確保され、安住できた。だが、これからは上位96%に入らないと、すぐに追い出される。

ただし、あまり出入りが頻繁にならないように、「入る基準」の「上位96%以内」に対して、「継続基準」は「上位97%以内」と少しだけ緩くしている。

したがって、上位96%を下回ってもすぐに抜けるわけではない。だが、市場の変化についていけない銘柄は、だんだんと時価総額順位が落ちていくので、脱落しやすくなる。脱落したくないなら、当然マーケットの平均以上は頑張らないといけない。既存の構成銘柄にはかなりのプレッシャーになる。新たに上位になった銘柄が入り、基準を満たさなくなったものは外れるという「構成銘柄の出し入れ」が、いちばん大きな変化だ。

すでに競争原理は働き始めた?

実際に銘柄の入れ替えがスタートするのは2026年10月であり、まだ先の話のように見える。とはいえ、入れ替えに当たっては2026年8月のデータが使われるので、実際にはあと2年ほどであり、今年度(2025年3月期)、来年度(2026年3月期)中に先んじて、対応を決めて動くしかない。

また、2026年10月から2028年7月までは次期TOPIXへの段階的移行措置が行われる。具体的には、2026年10月から四半期ごと、合計8回にわたって、銘柄が段階的に低減される。さらに2028年10月からは1年ごとに定期入れ替えが発生する。

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