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アメリカ大統領選挙でバイデン氏は撤退するのか 民主党は「皆が納得する新候補者」を選べるか?

東洋経済オンライン / 2024年7月6日 9時30分

それではこれからどうなるのか。たぶん民主党の「選挙の弱い議員さんたち」が黙っていないだろう、と筆者は想像している。弱い大統領候補の下で戦う選挙戦は、そうでない場合に比べて明らかに不利になってしまうからだ。

自民党総裁選挙のことを考えればわかりやすいだろう。自分の選挙が安泰な議員さんにとっては、「岸田おろし」を仕掛ける動機は薄い。逆に弱い議員さんは真剣になる。今はまだ衆議院議員の任期が2025年10月まであるが、これが「あと1年以内に選挙」ともなれば確実にお尻に火がつくはずだ。3年前の菅義偉首相(当時)がまさにそんな感じで、「こんな不人気な首相の下では総選挙を戦えない!」と、あっという間に引きずり下ろされてしまった。

アメリカの選挙でも似たようなところがあって、昔は「大統領選挙と議会選挙は別物」であった。それが近年は両者が連動するようになってきている。2016年選挙はトランプ勝利と共に、議会は上下両院ともに共和党が多数を占める「トリプルレッド」となった。2020年選挙ではバイデンさんが大量得票でホワイトハウスを奪還し、上下両院も民主党が制する「トリプルブルー」となった。近年のように大統領選挙が熱気を帯びてくると、議会選挙もそのときの「追い風」が大事になってくるのである。

2016年は「トリプルレッド」で政治も市場も劇的に変化

仮に「もしトラ」が「まじトラ」になり、つまりトランプさんが勝ったとしても、それだけですべてが決まるわけではない。上下両院のうち、どちらかで民主党が多数を握っていれば、法案は簡単には通らない。ところが「ホワイトハウスと上院と下院」という3連単が成立すると、一気に政治が動き出すのである。

筆者にとって強烈な印象に残っているのは、2016年11月9日のことだ。朝からずっとNHKラジオセンターに入って、アメリカ大統領選挙の開票速報の解説を務めていた。朝の時点では、まさかヒラリー・クリントン候補が負けるとは露ほどにも考えていなかった。

ところがトランプ陣営は着々と獲得選挙人を増やしていき、日本時間の昼頃にはスタジオ内にも不穏な空気が流れ始めた。「やっちゃったかなあ……」と反省しながら食べたお弁当は、生涯忘れられないくらいに不味かった(もちろんNHKさんの食堂に罪はない)。

アメリカ時間の早朝、日本時間の夕刻になって、ついに当確が出た。ヒラリーさんの感動的な敗北宣言があり、トランプさんが思ったよりもまっとうな勝利演説をして、選挙戦は意外な幕切れを迎えた。筆者も思い切り脱力していた。その夜、会社に戻る前に吉野家で掻き込んだ牛丼(並)は、宣伝通りに安くて早くて旨いものだと感じたのであった。

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