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アメリカ大統領選挙でバイデン氏は撤退するのか 民主党は「皆が納得する新候補者」を選べるか?

東洋経済オンライン / 2024年7月6日 9時30分

ところがですな。その日の夜遅くに出演した日経CNBCのマーケット番組では、「NY市場で株が上がっている!」と大騒ぎになっていたのである。そこでハタと気がついた。その直前までのマーケットは、「ヒラリーが勝つだろうけど、議会は共和党が多数。だったら政策は動かんね」と冷ややかに捉えていた。それがトリプルレッドになった途端に、「変化は買い!」とばかりに株式市場は暴騰したのである。

いわゆる「トランプラリー」の始まりであった。このときは「トランプ次期大統領は放漫財政をやるだろう」ということまで織り込んで、長期金利が上昇して為替市場はドル高となっていた。つまり円安になったから、翌日は日本株もつれ高となった。

「トランプ当選」という結果を受けて、世界中で激怒する人、鬱になる人、「反トランプデモ」まで起きる中にあって、マーケットの反応はいっそ痛快なくらいに現実的であった。筆者にとっても、重要なことを学ばせてくれた夜であった。

英仏選挙の結果でバイデン大統領の決断も

まじめな話、「トリプルレッド(ブルー)」にはそれだけの威力がある。赤もしくは青、3つのスロットの色が揃うと、本当に政策が動くのだ。近年のアメリカにおける大型法案は、だいたいがこの「3連単」の時期に成立している。そして2年後の中間選挙では、得てして上下両院のどちらかで、相手党に多数を奪われるということが続いている。

2009~10年  オバマ政権→「オバマケア」成立
2017~18年 トランプ政権→「トランプ減税」が成立
2021~22年 バイデン政権→「アメリカ救済法」「インフレ抑制法」(IRA)など

さて、こういう状況下で、民主党はどういう判断をするのだろうか。筆者の予想では、「替えないで後悔するよりは、替えて後悔する」ほうを選ぶんじゃないだろうか。2025年から3連単になるのは、彼らから見て耐えがたいと思うのである。

ちなみにワシントン・ポスト紙も、7月2日の社説欄でバイデン大統領に選挙戦撤退を促している。「フランスと英国の選挙を見れば、なぜかがわかるだろう」(”France and the U.K. show why.”)という。つまりリシ・スナク首相とエマニュエル・マクロン大統領のような馬鹿なことをするな、とのメッセージである。

英国では予想どおり与党・保守党が惨敗を喫し、野党・労働党の14年ぶりの政権交代が確実になった。これから判明するフランスの選挙も悲惨な結果になるのを見れば、バイデンさんも大いなる決断を迫られるんじゃないだろうか(本編はここで終了です。この後は競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

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