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「16歳下の夫」と結婚した51歳彼女の"偉大な勇気" 大学勤務時代に博士課程にいた学生さんとの意外な縁

東洋経済オンライン / 2024年7月7日 13時0分

16歳下の夫と結婚することになった女性。彼女の現在とはーー?(イラスト:堀江篤史)

北関東のターミナル駅近くにある中華料理店で担々麺を食べている。テーブル席で向かい合っているのは、涌井英子さん(仮名、51歳)。

白いTシャツの上に水玉柄のシャツを羽織り、大きな銀色のイヤリングをつけ、左薬指には結婚指輪が光っている。小づくりな整った顔立ちで、かすかに鼻にかかった声は若々しい。丁寧語なのにフラットな雰囲気が漂う女性で、学生時代のオシャレな女友だちと話しているような気分になる。 

16歳年下の男性と49歳で入籍

英子さんから初めて連絡をもらったのは今年2月のこと。筆者のメールマガジンに登録してくれて、自己紹介欄に<婚活中、大宮さんの文章に心が温かくなりました。49歳で無事入籍。^^>とのメッセージが書かれていた。ほぼ確実に本連載の読者なので、取材協力にも快諾してくれるはずだ。すぐにメールを送り、英子さんが夫の和之さん(仮名、35歳)と一緒に暮らしている町でランチタイムに会ってもらった。

16歳年下の男性との出会い方を早く聞きたいところだが、関西にある芸術系の大学を25歳で卒業した英子さんの経歴から確認しておきたい。九州出身の英子さんは恋人にも家族にも「尽くすタイプ」だったようだ。

「大学を卒業してからは東京で働いていました。職場は、自分が専門にしていた分野のモノづくりの会社です。仕事では肩肘をはっていたし、精神的に不安定だった姉の世話もしていました。学生時代からの友だちとはよく遊んでいて、その中に元恋人もいましたが、恋愛は10年近くしていなかったと思います」

そのうちに姉は元気になり、英子さんは東京郊外にある古民家を借りて一人暮らしを始める。36歳のときに生計を維持するために見つけたのが国公立大学の非正規スタッフの仕事だった。そこでは「不毛な恋愛」もしたと英子さんは言いにくそうに振り返るが、結果として和之さんと結ばれることができた。当時、彼はその大学の博士課程に在籍していた。

「もちろん、学生さんに手を出すようなことは一切していません。当時は教授も学生もスタッフも一緒になって研究室に机を並べていて、私は学生と同じ目線のおせっかいお姉さんという感じで過ごしていました。彼は博士課程を修了して就職し、県外に出ていたのですが、実家が関東にあります。帰ってきたときはお酒を飲んで近況を伝え合う友人になりました」

その頃、英子さんの九州の母親が大病を患い、看病する父親のフォローに追われていた。その苦労話を和之さんはウンウンとうなずきながら聞いてくれていたという。付き合っていたわけではないが、深い話もできて「美味しくないものは食べたくない」という点で共鳴し、いつも笑顔の和之さんを尊敬するようになったと英子さんは明かす。

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