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内向的な子に「やってごらん」より大事なこと 子どもの性質を確認、短所と誤解しないように

東洋経済オンライン / 2024年7月8日 16時0分

子ども一人ひとりには、かけがえのない個性と力があります。内向的な性格もその一つでは?(写真:Pangaea / PIXTA)

引っ込み思案、内気、恥ずかしがり……。そんな我が子の様子を心配し、なんとか背中を押そうとしている保護者の方も多いのでは。臨床心理士で公認心理師の吉田美智子さんの著書『声かけで伸ばす 内向的な子のすごい力』から一部を抜粋、再編集し、子育てのヒントを探っていきます。

内向型・HSC型・トラウマ型

内向的という特徴については、さまざまな考えや研究があり、統一されていませんが、今回は次の3つにわけて考えていきます。性質をわけるほうが性格を理解しやすく対応策を検討しやすくなります。

【チェックリストを見る】我が子が「内向型」にあてはまるかどうか

①内向型……芯が強く、個性的な子ども

②HSC型……周囲の影響を受けやすく、逆風の環境では萎縮しやすいが順風のときは誰よりも輝く。環境感受性が高い

③トラウマ型…今までの傷つき体験の影響から情緒不安定になったり、消極的になったりしている

HSCとは、Highly Sensitive Childの略で、生まれつき敏感で周りの刺激を受けやすい性質の子どもを指します。アメリカの心理学者エレイン・アーロンが提唱し、日本でも「繊細な子ども」「人一倍敏感な子」などと呼ばれ、耳にしたことがある人も多いはずです。

内向型とHSC型は、性質が近いので特徴が重なる部分があります。

パーソナリティ研究で有名なドイツの心理学者ハンス・アイゼンクは「内向的な人は少しの刺激でも強く反応し、刺激を避けようとする」として、内向性には感受性の強さが含まれることを示しています。また、アーロン博士は「HSCの中には内向的・外向的どちらのタイプもいる」と言っています。

人の性質は、はっきりと判別できるわけではありませんが、内向型・HSC型のチェックリストも参考にしながら、子どもの性質を確認してみてください。

傷つき体験のある子どもも

また、内向的の分類にトラウマ型を加えた理由は、傷つき体験のある子どもが内向型やHSC型だと誤解されることがあるからです。

傷ついた出来事があると、元来の性質にかかわらず人は誰でも消極的になったり、些細なことに敏感に反応したりします。それが、内向型やHSC型の性質と重なるので、区別が難しくなります。

トラウマという言葉から、虐待やネグレクトをイメージするかもしれません。しかしそうではなく、小さい日常的な傷つきがケアされないまま、傷つき体験が繰り返されることでトラウマになることがあります。

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