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JR芸備線の閑散区間「東城駅」実際どんなところ? 輸送密度13人だが、なぜか外国人観光客もいる

東洋経済オンライン / 2024年7月9日 7時30分

芸備線東城駅周辺はスーパーやコンビニなどもあり秘境ではなかった(筆者撮影)

100円の収入を得るための経費が2万3687円

改正地域公共交通活性化再生法に基づく第1回芸備線再構築協議会が2024年3月26日に開催された。JR西日本は当初、広島駅(広島県広島市)と備中神代駅(岡山県新見市)の159.1kmを結ぶ芸備線のうち輸送密度が特に低い備後庄原(広島県庄原市)―備中神代(岡山県新見市)間68.5kmの再構築協議を要請していたが、広島県側から「広域的な観点から幅広い議論が行われるべき」との要望があり、広島―備中神代間の全区間が再構築協議の対象とされることになった。

【写真】「やっぱり、芸備線がええよのぉ!」と庄原市内の各駅に掲げられたのぼりと横断幕

芸備線の備後庄原―備中神代間のうち備後落合(庄原市西城町)―東城(庄原市東城町)間25.8kmは、JR西日本の輸送密度1日2000人未満の30線区において、2019~2021年の営業係数がワーストワンだったことからその行方について注目が集まる。同区間の営業係数は23687、つまり100円の収入を得るために2万3687円の経費がかかっており、2021年における1日当たりの輸送密度はわずか13人だ。コロナ禍の数字とはいえ、それほど利用者が少ない芸備線の途中駅で新見駅からの折り返し列車の設定もある東城駅には何があるのか、現地を訪問した。

2024年3月のとある土曜日、筆者は芸備線の超閑散区間に乗るべく備後落合駅へと降り立った。芸備線の備後落合駅から岡山県方面の列車は、全列車が備中神代駅から伯備線に乗り入れ、新見駅まで直通運転をしている。設定されている列車は、備後落合―新見間が3往復、東城―新見間が3往復(土休日は2往復)だ。備後落合駅からは14時42分発の新見行へと乗車し、途中駅の東城駅で下車をする。

備後落合駅の1日の中で、14時25分から40分までの15分間は、芸備線の三次・新見方面、木次線の宍道方面からの3列車が並び、駅は乗り換え客でにわかに活気づく。特に芸備線の三次・新見双方から到着した列車は立ち席客が出るような混雑状況だった。この日は休日だったこともあり乗客の多くは観光客のように見える、

しかし、そんな備後落合駅は周辺に人家のほとんどない秘境駅として有名な駅だ。最盛期には、芸備線と木次線が分岐する広島県備北地区の基幹駅として蒸気機関車の機関区を抱え200名を超える職員が勤務していたというが、蒸気機関車から気動車への動力近代化や国鉄時代末期の合理化政策によって徐々に職員数を減らし、JR化後の1997年3月のダイヤ改正をもって備後落合駅は無人駅となった。

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