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「間違いだらけのダイエット」見分ける3つの視点 情報に振り回されると不幸な結果につながる

東洋経済オンライン / 2024年7月9日 18時0分

もしあなたが誰かから「お金を払うから、私が開発した商品の効果を証明してください」と言われたら、「その商品に効果はありませんでした」という結果を伝えることは、ためらってしまいますよね。お金をもらっている以上、相当なことがない限り、少しでも効果が証明できるデータを選ぼうとするでしょう。

このような研究バイアスは、たびたび問題になります。例えば「乳製品が身体にいいことが分かった」という研究のスポンサーを生乳会社がしていたり、「肉は健康にいい」という研究の裏に生肉会社がいたりするのです。

2007年の調査によると、食品会社がスポンサーとして支援していた牛乳などの飲料の健康効果を調べた206個の研究は、4〜8倍もの確率で「健康にいい」という結論に行きついていたことが明らかになりました。

全ての共同研究でこうしたバイアスがひどくかかっているわけではありませんが、実際にこうしたケースは1960年代頃にはすでに報告され始めているので、研究されているからといって盲信しすぎないようにしましょう。

日本人女性のダイエットは「プロボクサー」と同じ

ネットで表示される何億もの「科学的に正しいとされる方法」には「特定のグループで効果のあった方法を、誰にでも効果があるように紹介したもの」も混ざっています。

プロボクサーのダイエットをオフィスで働く一般人に勧めるような記事や、マウスを使った実験結果をそのまま人間に当てはめたものまで実にさまざま。その全ての"科学的に証明された"方法のうち、「あなたにも当てはまるデータを使ったもの」はどれだけあるでしょうか?

ダイエットの世界では、伝言ゲームのような誤った情報伝達が頻繁に起きています。

例えば、SNSなどで見た記事のタイトルが「1番やせる方法はランニングだった!」と書かれていたとしましょう。

この要約情報を見た人の中に、「研究対象はアメリカの大学に通う男性アスリート」「今後も他の人を対象にした研究の余地がある」といった詳細にまで目を通す人がどれだけいるでしょうか。

タイトルだけ見て判断したような穴だらけの情報が、SNSの投稿や他のメディアを通じて伝言ゲームのように伝わった結果、アメリカの大学に通う男性アスリートを対象にして分かった方法が、ずっと日本で暮らしてきた女性にも同様の効果があるような伝えられ方をしてしまうのです。

体質が「遺伝的要素」と「環境的要素」の掛け合わせであることを知っていれば、体質も食も文化もライフスタイルも性別も異なる人たちの(時には他動物の)データをそのまま自分に当てはめるべきではないことが分かります。

重要なのは「誰に向けた情報」かを見極めること

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