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環境活動家グレタ氏と支持層が虎視眈眈と待つ機 反対派はいつまで「冷笑」を続けられるのか

東洋経済オンライン / 2024年7月11日 13時20分

2019年、世界の要人が集まる国連気候変動サミットで、ひとりの少女が声を荒らげてプレゼンテーションを行った(写真:SoulAD/PIXTA)

既存のルールを、根底から覆す――。

少なくない人が、いま、それぞれの理由で、ゲームチェンジが必要だと感じているのではないだろうか。

ある人は、閉塞感ある社内の状況を嘆いて、それを願っているかもしれない。時代に合わなくなった諸制度を廃止して、次の時代のために仕組みを作り変える。それこそが、自社に必要なことである、と。ある人は、市場における逆転を期して、それを願っているかもしれない。長年のマーケットリーダーを引きずり降ろして、自分たちがトップに立つためにこそ、産業のゲーム構造を変革したい、と。

これこそが今、生成AIが、テスラが、ESGが、人的資本経営が、メタバースが祭り上げられている理由である。人々はそこに、ゲームチェンジの可能性を見いだしている。既存の秩序を、再編してくれるかもしれない。自分もそこに乗れば、世界を変革できるかもしれないし、変革後の世界で高い地位を確保できるかもしれない。

もちろん、うまくいかない可能性はある。むしろ、失敗する可能性のほうが高いだろう。けれども、変わる側に張ったところでリスクは小さいし、もし本当に変革を為すことができたとすれば僥倖である。かくして、世界の資源と注目は、既存のルールを変える可能性をもつゲームチェンジャーに集まるようになっている。

環境活動家・グレタ氏の強力な一手

2019年、世界の要人が集まる国連気候変動サミットで、ひとりの少女が声を荒らげてプレゼンテーションを行った。

彼女の名前は、グレタ・トゥーンベリ。2003年生まれであるから、当時はわずかに16歳である。彼女はスウェーデンで生まれ育ち、2011年に気候変動について初めて知ることとなる。報道によれば、世界が気候変動に対してほとんど対策をしていないことに強いショックを受け、落ち込んで無気力となった。その後、彼女は自閉症スペクトラム障害、強迫性障害および選択的無言症と診断されたという。

彼女はまず家族に対して行動の変容を迫った。ベジタリアンになること、廃棄物・不要物を再び価値あるものとするアップサイクリングを行うこと、飛行機に搭乗しないことなどを要求した。彼女の言葉に耳を傾け、両親が態度を変容させたことから、彼女は「世界は変えられる」との確信を得たという。

2018年、15歳のとき、グレタさんは自分の通う学校で気候変動のデモとスピーチを開始する。8月、「気候のための学校ストライキ」を掲げ、急進的な気候変動対策を行うことを議会前で要求したことから、その活動はスウェーデン中に知られることとなる。彼女の動きに他の学生たちも同調し、この活動は「未来のための金曜日 (Fridays for Future)」と呼ばれ、大きな動きとなっていった。

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