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環境活動家グレタ氏と支持層が虎視眈眈と待つ機 反対派はいつまで「冷笑」を続けられるのか

東洋経済オンライン / 2024年7月11日 13時20分

たった一人の少女の声が、世界の秩序を転換しうる。それが決して絵空事ではないということが、現代社会の特徴なのである。マイノリティはつねにゲームチェンジを企図し、自らの目的が達成される可能性を模索している。グレタさんの事例のように、何かの拍子にその機会が訪れたならば、マイノリティ側は活気づき、ここぞとばかりに行動を開始する。

そして、マジョリティ側はといえば、最大限の反撃能力をもって、既存の秩序を維持しようとするのである。

「ゲームチェンジャー」という産業社会の勝者

かつて20世紀の時代であれば、産業社会の勝者は、既存のゲームの中での優劣で決まるのが常であった。テレビ産業で成功したければ、誰よりも秀でたテレビを、いかに安く、上手に販売できるかが問われる。エアコンでも、自動車でも、洋服でも、話は同じである。競争とは、相手に秀でることだった。

しかし、現代の産業競争は、既存のルールを所与として行われるものではなくなりつつある。同じゲームの土俵で、トヨタ自動車の牙城を切り崩すのは至難の業だ。であれば、ゲームのルール自体を転じてしまえばいい。かくしてテスラは、その実力以上に支持を集めることになる。

テレビ放送局に対するYouTube、既存の白物家電メーカーに対するダイソン、フィーチャーフォン(ガラケー)に対するiPhoneなど、似た例はいくらでも挙げられる。いずれも、構造は同じだ。既存のゲームの支配者に対し、その秩序を根底から覆しうるようなゲームチェンジが、新興のプレーヤーによって仕掛けられたのである。

ゲームチェンジ。それこそが、現代の産業社会を読み解くカギである。

中川 功一:経営学者、やさしいビジネスラボ代表取締役

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