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ビジネス界が「選択的夫婦別姓」を政府に求めた訳 経団連は政策提言も、個々の企業は足並みそろわず?

東洋経済オンライン / 2024年7月11日 8時10分

(写真:8x10/PIXTA)

経団連は6月10日、選択的夫婦別姓の早期実現を求める政策提言を発表しました。経団連がこの問題で政策提言を発表するのは初めてです。十倉雅和会長は、6月25日の記者会見で「オープンにスピーディーに議論を」と念押ししました。

一方、個々の企業はこの問題をどのように見ているのでしょうか。今回、大手企業の人事部門・ダイバーシティ担当部署の関係者39名にアンケートとヒアリングで調査を実施(企業としての公式回答ではありません)。企業の認識がどのように変化しているのかを確認し、今後の展開を占います。

選択的夫婦別姓に「賛成」が多数

まず、選択的夫婦別姓に対する個人的なスタンスを尋ねました。

賛成:29名/反対:3名/その他:7名

「賛成」の回答者からは、「選択肢が増えるのは良いことでは」(小売り)という意見に加えて、反対派やこの件への対応を進めない政府に対する、強い調子の批判がありました。

「家族関係が希薄になると反対している人がいるようですが、心配なら夫婦別姓を選択しなければ済む話。別に夫婦別姓を義務化するわけでもないのに、どうして反対するんですかね。まったく理解不能です」(サービス)

「国民の多くが賛成しているのに、どうして政府は議論を前に進めないのでしょうか。保守派支持層の反発・離反を恐れているのだと思いますが、一言で言うと怠慢ですね。政府の決断力・実行力のなさには失望します」(保険)

一方、「反対」の回答者は、制度変更に伴う混乱を不安視していました。
「当社でも私の周囲でも、いまの“旧姓の通称使用”で取り立てて問題はなく、不便・不利益を感じません。将来はわかりませんが、現時点では、制度変更によってむしろ大きな混乱が生じるのではないでしょうか」(輸送機)

「その他」では、「どちらとも言えません」(エネルギー)「個人的な見解は差し控えます」(小売り)という回答ありました。微妙な問題なので、賛否を明確にしたくないという気持ちのようです。

なお、NHKが5月に公表した世論調査によると、「賛成」が62%、「反対」が27%でした。60代以下の現役世代に限ると、どの年代も「賛成」が70%を超えています。

「不便・不利益がある」というのは針小棒大?

次に、自社のビジネスへの影響。「貴社では、選択的夫婦別姓制度が存在しないことによって、不便・不利益はありますか」と尋ねました。

「ある」:7名/「ない」: 11名/「わからない」:21名

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