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草笛光子「美しすぎる90歳」勇気をもらえるその姿 主演映画がシニアのみならず50代にも刺さりまくり

東洋経済オンライン / 2024年7月11日 15時0分

主人公の佐藤愛子を演じた草笛光子と、50代の担当編集者役の唐沢寿明(画像:『九十歳。何がめでたい』公式サイトより)

「人生で一番大切なことを一言でズバリとお願いします」

【写真】「ピンヒール姿が美しい」草笛光子90歳のオフショット

「知らん!」

劇場に笑い声が響く。佐藤愛子の同名人気エッセイを映画化した、草笛光子主演の映画『九十歳。何がめでたい』が異例のロングヒットとなっている。

アクションもない、特殊技術もない、刺激的な展開も場面もない、90歳のシニアの人生復活ストーリー。それが6月21日公開日から3日間で観客動員数は10万人を超え、動員56万人&累計興収7億円を突破(2024年7月9日現在)。平日のデイリーランキングでは首位をキープし、興行収入10億円超えが見えてきている。

私が観に行った日も、70代前後の女性の姿を中心に、しっかり席が埋まっていた。

主演の草笛光子は、90歳になっても美しいまま、というより、むしろ90歳だからこそ出る美しさを光らせている。

そんな彼女が、昨年100歳を迎えた佐藤愛子が綴る“年を重ねることの本音と希望”を体現。炸裂する愚痴に客席から「ああ~」という共感の呟きが聞こえたり、笑い声が出たり、そのざわめきもまた、映画のひとつのようで、不思議な一体感を覚えた。

映画からあふれ出る、愚痴に包まれた希望。

シニアは「老後」にあらず。青春を謳歌するド真ん中の立ち位置に、いつでも戻ってこられるのだ。

(以下、敬称略。また、一部にネタバレを含みます)

「何がめでたい」の温度差

今作『九十歳。何がめでたい』の大きな見どころは、主人公・佐藤愛子を演じる草笛光子の美しさであることは確か。ただ、初盤は、かなりしんどそうである。

執筆業から離れ、のんびりと暮らす主人公だが、耳が聞こえづらく、テレビの音量を上げるしかない。イライラする。体が痛い……。本人はヘトヘトなのに、周りはまだまだ大丈夫と軽く言う。そして「90歳、何がめでたい!」とヤケクソ気味に、ひとり呟くのである。

それが、半ば無理やり執筆業を再開することで、活力が戻り、ラストで言う同じセリフ「何がめでたい」の言葉の温度は、まったく違ったものになっていく。

疲れ果てていた佐藤愛子が久びさに原稿を書き、「感動した」という電話を受けたとき、エネルギーが満ちてくるようにジワジワ笑顔になり、深呼吸するシーンは必見だ。

「いい爺さんなんてつまんないわよ」

映画で、佐藤愛子復活のきっかけとなるのが、50代の担当編集者、吉川である。演じる唐沢寿明はちょっとした怪演だ。すぐに唐沢と気づかなかったほどである。ぼさぼさの髪、黒メガネ、大きな声、遠慮のない発言、抑えても抑えてもあふれ出る威圧感!

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