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鉄道会社が続々参入「eスポーツ」狙いはどこに? 大手私鉄やJR、大会開催や体験施設など開設

東洋経済オンライン / 2024年7月12日 7時0分

「理由は、南海電鉄グループのこれまでの歩みにあります。南海電鉄は、戦後5年後には大阪スタヂアム設立。街の復興に並行して、野球文化の醸成とともに青少年の健全な育成に寄与してきた歴史があります。そして今再び、そのDNAを受け継いだ事業として取り組み始めたのが"eスポーツ"です」(広報担当者)

なんと、プロ野球チーム「南海ホークス(現ソフトバンクホークス)」を育てた南海電鉄の精神が引き継がれていた。

南海は中期経営計画のなかで、公共交通事業、まちづくり・不動産事業に次ぐ第3の柱として新規事業に取り組んでいる。この新規事業の枠の中にeスポーツ事業がある。沿線の価値を上げるためだけではなく、eスポーツそのものに事業の可能性を見出している。

■JR東日本:池袋に大型拠点を開設

JR東日本の関連会社「JR東日本スポーツ」は2021年に松戸駅コンコースに常設施設として「Jexer e-sports station 松戸駅店」を開店した。Jexerは駅構内や駅ビルを中心にフィットネスクラブを運営している会社だ。

なぜeスポーツだったのか。JR東日本グループ e スポーツカフェ有限責任事業組合 PR事務局にその理由を尋ねると、「eスポーツは国籍・年齢・性別・障がいを超越してほぼ全ての人が平等に参加できるフェアスポーツであることに注目し、今後拡大が見込まれるeスポーツ市場において、イベント等を通じて地域活性化に貢献したい」とのことだった。

同店は駅改良工事でコンコースを広げるため2023年10月に閉店したが、2024年1月、新たな拠点として池袋駅東口の「Café&Bar RAGE ST」の2階に「Jexer e-sports station」を開店した。Café&Bar RAGE STは1階がカフェ&バーエリア、2階がグッズエリアとなっている。「RAGE(レイジ)」はCyberZ、エイベックス・エンタテインメント、テレビ朝日が運営する国内最大級の e スポーツエンターテインメントのブランドで、コンテンツパートナーとして参加している。日本のeスポーツ文化としてもかなり大きな常設拠点といえる。

新規事業創出プログラムがきっかけに

■東京メトロ:鉄道会社らしい?ユニークな大会

東京メトロは3月にeスポーツ大会「TOKYO METRO CUP STREET FIGHTER 6(東京メトロカップ ストリートファイター6)」を開催した。決勝大会はJCG豊洲スタジオでオフラインで開催し、YouTubeチャンネルにてLIVE配信され、約2万人が観戦した。演出の随所に東京メトロの路線や駅名標をあしらっており、試合を中継するMCも鉄道員のコスプレ、背景は地下鉄車内というこだわりようだ。決勝戦終了後、チャット画面の「鉄道会社らしく時間通りに終った」というコメントが面白かった。

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