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鉄道会社が続々参入「eスポーツ」狙いはどこに? 大手私鉄やJR、大会開催や体験施設など開設

東洋経済オンライン / 2024年7月12日 7時0分

eスポーツの黎明期から生き残った人々や企業が、いまは参入企業のアドバイザーとして導く立場だ。eスポーツチームも単なるプレーヤーではなく、ビジネスとして成立するようになった。鉄道事業とeスポーツという縁のなさそうな関係も、こうしたパートナー企業のおかげで参入しやすくなっている。

eスポーツの「教育的成功」と「興行的成功」

「京王電鉄eスポーツ祭」で、JCG代表取締役の松本順一氏と何年かぶりに再会した。彼と私は「matsujun」「sugijun」の名で、一時は共にeスポーツ情報サイトを作った仲である。

「杉山さん、観客を見てよ。お洒落な女の子たちがたくさんいるでしょう。推しのプレーヤーを応援するために、お洒落してイベントに来てくれたんです。僕らが出会った頃とは違う景色ですよ。eスポーツはそんな時代になったんです」

着飾ってキャスター付きのトランクを引いてきた少年少女は、どこからやってきたんだろう。会場に入る前も、駅へ向かう親子が「楽しかったね」と会話していた。これもうれしかった。私はひとり浦島太郎のような気持ちになった。もう感動しかない。

かつてeスポーツを取材していた頃、eスポーツプロデューサーでゲームクリエイターの犬飼博士氏と「日本のeスポーツの成功とはなにか」を考えていた。プロゲーマーが誕生し、大規模なゲーム競技会が行われたら大成功だ。しかし、オリンピックスポーツのように海外のプレーヤーと交流し、互いの国や地域を知り尊重すること。たとえば5人対5人のチーム対戦ゲーム「カウンターストライク」では仲間とのコミュニケーション、協調性、戦略性がなければ勝てない。それができる人間を育てること、つまり教育と世界の平和に寄与することがeスポーツの「スポーツとしての成功」だと思っていた。

鉄道事業者にとってeスポーツは「教育事業」の要素が強いようにみえる。それは正しいあり方だと思う。これからは「興行的な成功」にも挑戦してほしい。沿線の人々を幸せにする方法として、eスポーツはとても良い題材だとあらためて思った。鉄道会社やそのグループ会社でeスポーツ事業に携わる人々の「2つの成功」を心から祈っている。

杉山 淳一:フリーライター

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