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石丸伸二的な話し方「石丸構文」堂々使う人の末路 本当に「論理思考力が高い人」ならどうするか

東洋経済オンライン / 2024年7月12日 8時0分

一方が、相手の言葉尻をとらえて発言すると、会話が噛み合わなくなる(写真:Lukas / PIXTA)

先日の東京都都知事選で2位の票を獲得した石丸伸二氏が、何かと注目を集めている。

【画像】「石丸さん、サブウェイ注文できるかな。」店員とのやりとりを想像した「石丸構文」は、ふかわりょうさんの心配が発端

特に誰かからの質問に対して“返り討ち”をするような独特の言い回しが、である。

噛み合わない部下と上司の会話

中でも日本テレビ系列の開票番組で社会学者の古市憲寿氏と繰り広げた、「また同じ質問ですか?」「もう一回言えってことですか?」といった押し問答は、SNSを中心に「石丸構文」として拡散され、トレンド入りした。

私はこの「石丸構文」がビジネス界でも広がるのではないか、と危惧している。おそらく戦々恐々とするのは上司たちだろう。

たとえばイベントの終了後、部下が上司にその報告をしているシーンで、以下のような会話があったとする。

部下:「……ということで、今回のイベント集客は63名の実績でした」

上司:「それで、どれぐらい見込み客が増えたの?」

部下:「私、見込み客の話をしました?」

上司:「見込み客を発掘するためにイベントを開催したんだよね?」

部下:「私はイベントの集客実績について報告したのです」

上司:「見込み客を発掘するためにイベントを開催したんじゃないの?」

部下:「同じ質問を繰り返しされてます? さっき答えたばっかりですが」

一見するとまったく噛み合っていない会話である。

しかしよく見ると、せっかく部下がイベントの集客実績を報告しているのに、上司はその報告に関する意見や感想を伝えることなく、「見込み客は?」と質問している。

これでは、“返り討ち”するような部下の言い分もわからないでもない。

「イベント集客は63名だったんだね。お疲れさま。目標が60名だったから、よくやった」

と部下を労い、報告を受け止めたうえで、

「それで、イベントで集客したお客様の中から営業できそうな見込み客は、どれぐらいあったかな?」

と質問したら話が噛み合い、

「それなら7名ほどです。アンケートを集計したところ、12名の役職者のうち、当社の商材に関心を示された方が7名いましたので」

と部下はすんなり答えたかもしれない。上司はイベントの実績を「集客数」と「見込み客数」とに分けて話せばよかったのだ。

「融通の利かない部下」の印象を与えるだけ

とは言え、である。

常識的に考えて、上司がここまで部下を気遣い、丁寧に返答しなくても、上司の意図は伝わりそうなものだ。にもかかわらず難癖をつけたり、屁理屈を並べたりすると、単なる「融通の利かない部下」と見られてしまうだろう。

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