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実は「ポイ捨て」しまくっていたキャベツの栄養 科学で解明「芯はおいしくない」と思うなかれ

東洋経済オンライン / 2024年7月15日 15時0分

キャベツの千切りは、切る方向によって食感に違いが出ます(出所:『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます! 調理科学×栄養がとれる食べ方のコツ』)

「皮をむく」「茹でる」など、野菜は調理によってロスが多い食材です。しかし最新の研究では次々と捨てられてきた部位に貴重な栄養が存在していることが解明されてきました。そこで東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部監修による『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます! 調理科学×栄養がとれる食べ方のコツ』より一部を抜粋・再編集し、身近な野菜の代表格・キャベツについて、栄養を余すことなく取り入れる調理のコツを深掘りしてみます。

外葉や芯は捨てたらもったいない

硬いからと捨ててしまう人も多いキャベツの外葉ですが、外葉の1~3枚めは内葉の1.5倍のビタミンCが存在するので、捨てるのは絶対NGです。

【画像10枚】「蒸す」か「レンチン?」か? キャベツからビタミンCが流出しにくい調理法など

さらにビタミンAは外葉に8割もあり、血圧降下作用のあるアルギニンも、内葉の3倍も多く含む「最上級のお宝部位」です。

ちなみに外葉についている白い粉状のものは農薬ではなく、キャベツ自身が紫外線などから身を守るために作りだすロウ状の物質「ブルーム」。

キャベツの脂質から作られた成分が、表面に浮き出たものです。口にしても全く問題ない成分で、むしろキャベツが新鮮な証しでもあります。

また葉脈は、ほかの部位よりも糖度が高く、食物繊維も葉の2倍。キャベツの中では葉脈にだけプロリンという、コラーゲン修復機能成分も存在します。美肌には欠かせない部位です。

一方、芯にはカルシウム・カリウム・マグネシウム・リンといったミネラルが内葉の約2倍も含まれています。

ビタミンCも外葉の次に多く、筋肉の源となるアラニンは葉の3.4倍という栄養の宝庫。ただし加熱しすぎは栄養ロスになるので注意しましょう。

「栄養価が高いとはいえ、芯はおいしくない」と思うなかれ。キャベツの芯は旨みのもと、アミノ酸が葉の8倍以上も含まれるおいしい部位なのです。

茶色くなった部分はくさみが出やすいので切り落としますが、それ以外は細かく切って炒め物やカレーに入れるほか、そのまま漬物やマリネにするのもおすすめ。芯こそ、旨みの宝庫です!

ただし、キャベツの芯には成長点があり、収穫した後も蓄えた栄養を葉に送ろうとします。半分にカットしたキャベツが、時間が経つと芯を中心に盛り上がってくるのはそのせい。

芯の豊富な栄養が抜けてしまうだけでなく、葉先から栄養がどんどん消失し、傷みも早くなってしまいます。

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