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韓国で23年興収1位「ソウルの春」が描く軍事反乱 実在の事件に一部フィクションを交えて映画化

東洋経済オンライン / 2024年7月15日 14時0分

映画『ソウルの春』は8月23日(金) より新宿バルト9ほかにて全国公開© 2023 PLUS M ENTERTAINMENT & HIVE MEDIA CORP, ALL RIGHTS RESERVED.(東洋経済オンライン読者向けプレミアム試写会への応募はこちら)

1979年12月12日。権力の亡者である保安司令官・チョン・ドゥグァンが、陸軍内の秘密組織“ハナ会”の将校たちを率いて、クーデターを決行した。それは韓国国民が望んだ民主化への希望を打ち砕いた――。

【写真で見る】韓国で大ヒットした『ソウルの春』のシーン

韓国で「粛軍クーデター」「12.12 軍事反乱」と呼ばれる実在の事件をもとに、一部フィクションを交えてエネルギッシュに描きだした映画『ソウルの春』が8月23日より全国公開となる。

2023年11月に韓国で本作が公開されると、事件をリアルタイムで知る世代はもちろんのこと、事件を知らない若者世代にも訴求。世代を超えた熱量に支えられ、最終的には1300万人の観客を動員する大ヒットを記録。韓国では4人にひとりが鑑賞し、2023年の韓国映画における年間興行収入で1位を記録した。

民主化運動が高まる中、独裁者が台頭

物語は新たな独裁者として君臨しようと画策する“権力の亡者”チョン・ドゥグァン(ファン・ジョンミン)と、彼の暴走を食い止めるべく命をかけて立ち向かう“信念の男”首都警備司令官イ・テシン(チョン・ウソン)というふたりの男の対立を軸に、軍事クーデターが繰り広げられた9時間の攻防を、独自の視点を交えて描き出している。

映画のタイトルにもなっている「ソウルの春」とは、1979年10月、独裁者として名高いパク・チョンヒ(朴正煕)大統領が暗殺され、民主化運動の機運が高まった時期を指す。これは1968年にチェコスロヴァキアで起きた民主化運動「プラハの春」にちなみ、命名されたものとなるが、そんな民衆の思いとは裏腹に、チョン・ドゥグァンという新たな独裁者が台頭。韓国の歴史は混迷を極めることとなる。

本作のメガホンをとったのは、世界的に高い評価を受けた『MUSA -武士-』『アシュラ』の名匠キム・ソンス。

当時、(数え年で)19歳の高校生だったキム監督は、12月の寒空に響き渡った軍事クーデターの銃声を鮮明に記憶しているという。夜中に装甲車を目撃したキム監督は好奇心にかられ、もっと近くで見ようと陸橋に向かったところ、そこで銃声を耳にしたというのだ。陸橋では兵士たちがもみくちゃになっていた。

だがそこで何が起こっていたのか、それを知るのは後のことだったというが、その後の人生において、その時の光景が幾度となくフラッシュバックし、脳裏に焼き付いていた。それから時は過ぎ、2019年秋。本作のシナリオを手にしたキム監督は「体中の血が逆流するような戦慄を覚えた」と明かす。

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