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韓国で23年興収1位「ソウルの春」が描く軍事反乱 実在の事件に一部フィクションを交えて映画化

東洋経済オンライン / 2024年7月15日 14時0分

「オファーを受けた当初は不安と重圧が募りましたが、一方で俳優の演技欲求を刺激する興味深い役柄であることは事実」と語る彼は、「失敗すれば反逆、成功すれば革命だ」という大義名分のもと、目的達成のためには手段を選ばないチョン・ドゥグァンの狂気的で破壊的な姿を、爆発的な演技で演じきった。

また特殊メイクを3~4時間かけて施した薄毛姿で登場。その変ぼうぶりは、韓国でも驚きの声があがったほどだ。

そして国と国民を守り、正義を貫くために最後まで反乱軍に立ち向かう、首都警備司令官イ・テシンを演じるのはチョン・ウソン。『MUSA -武士-』や『グッド・バッド・ウィアード』などのアクション大作から、『私の頭の中の消しゴム』といったラブストーリー、そして悪人の世界に堕ちていく悪徳刑事を演じた『アシュラ』まで、その役柄の幅は非常に広く、韓国映画界に確固たる地位を確立している。

最後まで緊張感が途切れない

チョン・ドゥグァンとは真逆のベクトルを持つイ・テシンを演じるにあたり、「何よりも観客の皆さんがこの映画に没頭していただくためには、イ・テシンの信念が伝わるように演じることが重要でした。俳優として持てる技術のすべてを注ぎ込み、観客の皆さんの共感を誘えるよう演じることに徹しました」という。

「反乱する側」と「鎮圧する側」の一触即発の攻防は、最後まで緊張感が途切れることなく続く。それはまさに観客が、国の運命が変わる瞬間に立ち会っているかのような臨場感がある。

壬生 智裕:映画ライター

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