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「子どもは無料」で簡単につられる大人たちの盲点 企業側の仕掛けには「わかったうえで」乗りたい

東洋経済オンライン / 2024年7月16日 9時0分

子どもへの割引や大盤振る舞いには、当然、企画者側にもおいしいメリットがあるわけです(写真:ukgiax/PIXTA)

いよいよ夏休み目前。今年は前年よりボーナスが増えた企業が多いとのこと、家族でレジャーに出かける機会も増えそうだ。

【画像】子どもは100円で土日休日の1日乗り降り自由になる路線など、この夏も目を引くサービスが多々

そんなタイミングで見かけたのが、「東急線キッズパス」の車内広告だ。料金はなんと100円、ワンコインで土日休日の東急線全線が1日乗り降り自由になるという。

ただし、キッズというだけあって、対象は小学生以下の子ども。他にも、都営地下鉄の「夏のワンデーパス」が7月20日~9月1日までの土日祝日と、8月13~16日のお盆期間が1日乗り放題になる。こちらは大人500円、子ども100円だという。

どちらも破格に安い。子ども料金がたった100円しかかからないなら出かけてみようと思うのではないだろか。

しかし、オトクなきっぷの紹介をしようというのが今回の趣旨ではない。子どもへの割引や大盤振る舞いをする理由はなぜか、を考えてみたいのだ。

企画する側にもおいしいメリット

当然、企画者側にもおいしいメリットがある。例えば、「東急線キッズパス」を使い、子ども100円で出かけようとすれば、もれなく親や大人の保護者が同伴でついてくるだろう。このパスには大人料金の設定はないので、一方の親あるいは両親そろって家族で出かければ、2倍3倍で運賃を獲得できることになる。

しかも乗り降り自由となれば、あちこち行ってみたくなるのも人情だ。もし3カ所に出かけたら、往復で大人は6回乗り降りする。子どもに破格のサービスをするだけで、家族分の売り上げもセットで見込めるという、鉄道会社にとって損はない企画きっぷというわけだ。

また、普段は車で出かけるが、100円なら電車のほうが安いかもと感じさせる効果もある。なにせ、100円ショップだって200円以上の品ばかり並んでいるというご時世だ。「子ども100円」には、大人ごとまとめて引き寄せる磁力があるのではないか。

野球観戦がタダに! ファンクラブの大盤振る舞い

そんな例は他にもある。例えば、プロ野球のファンクラブだ。多くのチームには大人向けだけでなく、キッズやジュニアといった名称で中学生以下を対象とした子ども会員がある。しかも、子ども向け特典として、ホーム球場での試合が無料で観戦できたりするのだ。

セ・リーグでは広島カープの「ジュニアカープ」がマツダスタジアムの内野自由席が全試合入場無料(売り切れの場合は制限あり)、読売ジャイアンツの「キッズメンバー」だと東京ドームの内野2階席ペア招待1試合分、横浜ベイスターズ「キッズコース」では観戦チケットとの引換チケットが3枚もらえる。

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