CoCo壱「わずか3年で3回目の値上げ」は吉と出るか 過去の値上げでは「客離れ」は見られないが…
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 17時30分
CoCo壱番屋を展開する壱番屋が7月11日、「価格改定に関するお知らせ」を発表した。きわめて清々しいプレスリリースだった。それは文字通り値上げをするというもの。このプレスリリースがちょっとした話題になった。というのも、同社はここ3年のあいだに3回目となる、値上げを敢行するからだ。
【画像】「ポークカレーは591円→646円」「ビーフカレーは718円→794円」…では、「ロースカツのトッピング」は何円増?
そこで経過を見てみよう。代表的な値上げ内容は次のとおりだ。
●2024年7月:翌月8月からの価格改定を発表。ベースカレー等、平均10.5%(43~76円)を値上げ。トッピングの大半を値上げし、値上げ分で平均13.5(5~50円)
●2024年2月:翌月3月からの価格改定を発表。テイクアウトのカレー弁当を店内価格+54円、タマゴ使用のメニュー商品で+26~+78円。
●2022年10月:同年12月からの価格改定を発表。ベースカレー平均7.4%(44円)を値上げ。トッピングの大半を値上げし、値上げ分で平均5.4%(5~20円)
なお、同社は2019年にも2回価格改定を実施しており、2019年以降だと5回目の価格改定となる。
なぜ価格を改定するのか。同社は「各種原材料や光熱費、物流費、人件費など、さまざまなコストが継続的に上昇している」としている。実際に上昇しているのは誰もが知るところだ。
まず、原材料費の上昇が挙げられる。ココイチのカレーにはさまざまなスパイスや食材が使用されており、その多くは輸入品だ。円安が決定的な影響を与えている。食材自体が値上がっているのに加えて、輸送コストの増加もある。原材料のコストが上昇しているのは明白だ。
数カ月前に開催された決算説明会資料(2024年4月)でも通期で原材料の仕入れ価格が17億円も上昇したと発表した。連結で売上高が551億円で、営業利益が47億円の企業(2024年2月期)だからその影響度が大きいとわかるだろう。
なお、その仕入れ価格の影響が大きかったものとして、カレー原料のスパイス(+1億6200万円)だけではなく、豚しゃぶ(+1億700万円)など、さまざまにいたっている。
また、最近の天候不順や異常気象も農作物の価格に影響を及ぼす可能性がある。実際、昨今のアメリカでの牧草の干ばつにより飼育頭数が減少し、輸入牛肉は高騰している。またカレーのベースとなる野菜や穀物の価格が上昇することで、全体的なコストが押し上げられる可能性がある。
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