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「トランプ氏銃撃」国際ボディーガードによる考察 鉄壁だったはずの警護になぜ隙ができたのか?

東洋経済オンライン / 2024年7月16日 14時30分

銃撃を受けた直後のトランプ氏(写真:Getty Images)

世界中を震撼させたトランプ前大統領の襲撃事件。そこには、警護態勢や犯人の行動を分析する者と狙撃する者、警護する者と、犯人との「一進一退」の攻防があったようだ。

警護のプロからみたトランプ銃撃事件の裏側とは?

熱気あふれる会場に響いた発砲音

熱気あふれる歓声が響いた会場に突如、複数の発砲音が聞こえた――。

会場での一部始終を捉えた海外ニュースの映像を見ると、トランプ前大統領は発砲音の直後、右耳を押さえ、周囲にいたシークレットサービス(USSS=アメリカ大統領警護隊)が一斉にトランプ前大統領を守るようにしゃがませ、盾になった。

その後、シークレットサービスが彼を取り囲んだ状態で車に乗り込ませたが、その間、観客に向けて何度もガッツポーズをとっていたトランプ氏の右耳からは血が流れていた。演説を聴いていた観客らは逃げ出し、会場はパニックになった様子が見て取れた。

アメリカメディアの各種報道によれば、7月13日午後、ペンシルバニア州バトラーで演説中だった共和党のトランプ前大統領が銃撃され、右耳に大けがを負った。聴衆の1人が死亡し、2人が重体だという。

犯人は警護していたシークレットサービスによって射殺され、その後、20歳の男と判明。演説会場そばの建物の屋根から、ライフル銃のような自動小銃で狙ったとみられるという。

今回の銃撃事件、世界最強と呼ばれるシークレットサービスがついていながら、なぜこのようなテロ行為を許してしまったのか。国際ボディーガードとして数多くの要人警護経験を持つ、民間ボディーガード会社代表の小山内秀友(おさない・ひでと)さんは、こう説明する。

「通常、アメリカ大統領選候補者には、選挙の120日前からシークレットサービスの護衛がつきます。トランプ氏の場合は前大統領ということもあり、おそらく大統領を辞めたあともずっとシークレットサービスの警護がついていたはずです。

ステージから130メートル程度しか離れていない建物にライフル銃を持った人物が容易に近づき、屋上に上がれてしまったことや、対狙撃チームから見て見通しのよいロケーションであったにもかかわらず、近くの建物の屋上からライフル銃で狙っている人物に気づくのが遅れたのは、シークレットサービスのミスであったと思われます」

実際、海外メディアの報道では、狙撃地点となった屋根に登る容疑者の男を目撃した住民がインタビューに応じ、「近くにいた地元警察関係者に男の存在を伝えたが、とりあってもらえなかった」と話している。

犯人の強い殺意があった?

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