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内向的な性格の子どもは将来営業職に就けるのか コミュニケーションを必要とする仕事は除外?

東洋経済オンライン / 2024年7月17日 15時0分

わたしは入社早々、こう着状態に陥っているプロジェクトにリーダーとして加わることになりました。新しいタイプの自動販売機を日本で開発するプロジェクトでしたが、本社スタッフ、日本のスタッフ、共同開発をするメーカーとで意見が割れていました。

会議は、不協和音が鳴り響いているオーケストラの練習場みたいな様子でした。わたしは、業界のことも技術のことも社内のこともまったく知らない一番のど素人。

なぜそんなわたしが、リーダーになったかと言うと、「マーケティングがリーダー役を果たすべきだ」という考えがあってのことでした。

物静かであまり目立たない人が発揮した能力

初日から途方に暮れていたわたしは、Mさんに一緒に会議に参加してもらうことにしました。

Mさんは、物静かであまり目立たないタイプです。紛糾する会議中も、とくに意見は言わずに黙ってみんなの話を聞いていて、みんなが意見を言い終わると、それぞれの言い分や問題点などを整理してホワイトボードに書き始めました。

誰の肩を持つでもなく、中立的な態度で整理すると、メンバーも冷静さを取り戻すことができました。プロジェクトを成功させるというゴールは同じですから、Mさんのような冷静な聞き手がいることで、建設的な議論が戻ってきたのです。

わたしは、Mさんのような上司に会ったのは初めてのことで、今までと違うリーダーシップに驚きましたが、次からはMさんの方法を真似することにしました。そうして、少しずつ、リーダーの役割を果たせるようになっていったのです。

もちろん、それは「新入りの若輩者がリーダーなんてけしからん」などとは言わずに協力してくれたプロジェクトメンバーたちのおかげです。

ちなみに、外向的なスタッフには内向的な人、内向的なスタッフには外向的な人がリーダーを果たすと、よりよいパフォーマンスを引きだせるという研究結果があります。

つまり、タイプの異なる人が協力し合うことでよりよい成果をだせるのです。Mさんが静かなリーダーシップでチームをまとめていったこと、それから新入りにベテラン社員たちが協力してくれたのも、タイプの異なる組み合わせの成功例かもしれません。

心理的安全性をもたらす人になれる

また一緒に働きたい上司の2人目は中学校の校長先生(女性)です。T先生は、小柄で穏やかな笑顔が印象的で、校長先生だけれど怖いところがありません。

もちろん、校長として、強い姿勢をとるときもありますが、静かに筋道を立てて話し、しかし決して迎合しません。普段から、生徒や保護者、先生の何気ない様子をよく見ていて、気になることがあると相談に乗ってくれます。

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