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なぜ?「N-BOX」新型登場でも10%以上の販売減 好敵「スペーシア」と異なる商品力の改め方

東洋経済オンライン / 2024年7月17日 9時30分

ところが、2017年のマイナーチェンジで、大型メッキグリルを装着してフロントマスクの存在感を強めた。改めてその理由を開発者に尋ねると、「売れ行きが伸び悩んだから」と返答された。同様の失敗をN-BOXでも繰り返しているといえる。

個人的には、周囲のクルマを蹴散らすようなデザインは、好ましくないと思う。特に世の中が殺伐としている今、街中の雰囲気に影響を与えるクルマのフロントマスクは、もう少し穏やかな表情であってほしい。

しかし、N-BOXカスタムもステップワゴンスパーダも、理想を追求して売れ行きが低迷すれば、結局はフロントマスクを派手なデザインに変更する。それなら最初から、もう少し上手にデザインすべきではないか。

ホンダの場合、コンパクトカーの「フィット」もフロントマスクの評判がよくないため、これも今後のマイナーチェンジなどで大幅に改めると思う。

実直な改良は評価できるが…

新型になったN-BOXでは、内装のデザインも大きく変更した。インパネは、先代型に比べて上端の位置を70mm下げていることが特徴で、インパネ上面も平らに仕上げて、前方視界を向上させている。

特に小柄なドライバーには、運転がしやすくなったといえるだろう。メーターは液晶のデジタルに変わり、表示できる情報量も増えた。

一方、インパネ上端を下げたことで、上下方向の厚みとボリューム感が減っている。装飾も控え目になったから、先代の前方視界に不満を感じなかったユーザーの中には、新型では物足りないと感じる人もいるだろう。

ステアリングホイールは、先代は3本スポークだったが新型は2本スポークになった。ここに不満を抱く人もいるはずだ。

収納設備も変更された。先代N-BOXは、トレイや蓋付きのボックスを豊富に設置していたが、新型N-BOXはグローブボックスの容量を2倍に増やした一方で、収納の数は減った。シンプルになった内外装を含めて、全体的にコストダウンされた印象を受けてしまう。

実際に、コスト低減は新型N-BOXの狙いのひとつであったようだ。先代の時点で「N-BOXは販売台数が多いわりに、あまり儲からない」という話が、ホンダの社内から聞かれていた。装飾類を抑えたシンプルな外観と内装、収納設備の削減などは、コスト低減の方向性と合致する。

「大幅値上げした」ように見える

新型は、価格も販売に影響を与えた。販売店では次のように述べている。

「新しいN-BOXは、もっとも安価なグレードでも160万円を超える。その分だけ安全装備などは充実するが、新型では値引きも減ったから、高くなったと受け取るお客様もいる」

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