1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

なぜ?「N-BOX」新型登場でも10%以上の販売減 好敵「スペーシア」と異なる商品力の改め方

東洋経済オンライン / 2024年7月17日 9時30分

先代の価格は、フルモデルチェンジ直前時点で、もっとも安価な標準ボディの「G」が146万8500円、売れ筋の「L」は159万9400円であった。新型の標準ボディは164万8900円だから、価格だけで見ると先代のLよりも約5万円高い。

内容面では、サイド&カーテンエアバッグが標準装着に変更された一方、前席シートヒーターなどは、標準装着から新型ではオプションに変わった。しかし、先進安全装備の機能は大幅に進化しており、値上げ額以上に選ぶ価値は高まったといえる。

それでも販売店がコメントしたように、一番安価なグレードが146万8500円から164万8900円へと約18万円も上がれば、値上げした印象が強まる。

価格を140万円台に抑えた先代型のGは、装備が乏しく人気も低いグレードだったが、N-BOXの価格を割安に感じさせる効果は発揮していた。

このほか、新型の売れ行きに影響を与えた要因として、先代N-BOXの高人気も挙げられる。先代型は2017年の発売以降、国内年間販売台数1位をほぼ一貫してキープしたから、N-BOXの購入を希望する大半のユーザーに行きわたった。その結果、新型のニーズが下がっている。

ライバルの「わかりやすい」商品力アップ

ライバル車の動向も見逃せない。N-BOXとほぼ同じ時期に、スズキ「スペーシア」も新型にフルモデルチェンジしているのだ。

新しい「スペーシアカスタム」は、従来型以上にフロントマスクの存在感を強め、インパネの周辺も立体的に仕上げた。新型になって大人しくなったN-BOXとは対照的だ。

売れ筋グレードの後席には、ミニバンのオットマンに似たマルチユースフラップが備わり、リラックスして乗車できる。フラップを反転させると、後席の上に置いた荷物が床に落ちにくい工夫も施した。さらにスペーシアは、エアコンの冷気を後席に送るスリムサーキュレーターなども採用しており、収納設備も豊富だ。

また、マイルドハイブリッドを採用するスペーシアは燃費もよく、自然吸気エンジンの売れ筋グレードで23.9km/L(WLTCモード)に達しており、N-BOXの21.6km/Lに比べると、燃料代を約10%節約できる。

N-BOXとスペーシアを乗り比べてみると、N-BOXのほうが優れている部分も多い。動力性能、走行安定性、ステアリング操作に対する車両の応答性、乗り心地、前後席の座り心地などの基本性能は、N-BOXが上まわる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください