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円安がこんなに続くのは「日本経済が縮んだ」から 貿易収支が改善したのは「悪いJカーブ効果」

東洋経済オンライン / 2024年7月18日 9時0分

いずれにせよ、円安でも設備投資が増えない理由は、「期待」や「雰囲気」のようなナイーブな要因によるものではなく、「悪い円安」論に原因はないだろう。

近代経済学において、「期待」の役割が大きいことは事実である。そういった中で、メディア、世論、政府、日銀といった経済主体が経済成長率を最大化する方向に向いていないことは往々にしてあるだろう。

しかし、それぞれにそう考える理由があるはずである。

例えば、高齢化社会において中長期の経済安定よりも足元の景気に目が向きやすくなることは自然なことである。人々の「期待」を動かすことが難しいことは異次元緩和の教訓だった。

このような前提を所与として、経済政策の効果や景気のパスを予測し、処方箋を考える必要がある。

例えば、高い経済成長率によって社会保障の問題を解決することはベストである。しかし、現実にはそれは難しいとして、セカンドベストとして現実的な政策を選択することが先々のリスクを軽減することにつながることもあるだろう。

患者の状況も勘案して分析をすることを、筆者は心掛けている。

末廣 徹:大和証券 チーフエコノミスト

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