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「生涯の相棒」を選ぶ、いつか欲しい国産万年筆 メーカーの「アイデンティティ」を持つ贅沢さ

東洋経済オンライン / 2024年7月19日 9時0分

パイロット「カスタム漆」の朱軸(写真:パイロット社提供)

世の中にはさまざまな高級品があります。万年筆も、数百円の普及品から上を見れば高級品は数百万円のものまであります。ただし、筆記具として見たとき、その書き味やデザイン、軸の素材なども含めて、世界最高と言えるような製品が、20万円以下で買えてしまうのが万年筆の面白いところです。

【写真】「長刀研ぎ」のペン先は、スムーズかつ美しくトメ・ハネ・ハライを書けるだけでなく、漢字の書き順にもピタリとついてくる。

もちろん、希少な素材や宝石類をふんだんに使ったり、芸術品に近いレベルの工芸品としての価値のある細工が施されていたりといった、筆記具以外の部分での価値が高い「高級品」はあります。蒔絵や螺鈿をふんだんに使った太軸の高級万年筆も魅力的です。

世界一の技術を持つに至った国産万年筆

しかし、それらは「道具」として見ると、決して頂点にある訳ではありません。

そういう意味で、世界の頂点と言える製品が20万円以下で手に入ってしまう万年筆は、最も手に入れやすい最高級品なのかもしれません。

ここでは、その書き味において、明治以来ずっと漢字もひらがなも英文字もスムーズに書けるペン先の開発を続けたことで、世界一の技術を持つに至った国産万年筆から、今、手に入る筆記具の最高峰としての3本を選んでみました。

デザインや軸の素材の扱いについては、まだヨーロッパに追いつけない部分もある国産万年筆ですが、ここで選んだ3本は、そういった部分でも、十分に戦えるだけのセンスで作られています。いつか手に入れたい万年筆としてふさわしい国産万年筆たちです。

プラチナ万年筆の夢と技術が生んだ芸術

プラチナ万年筆の社名は、初代社長である中田俊一氏の、金属の王様であるプラチナのように万年筆の王様になるという志によって付けられました。また、プラチナ製のペン先で「王者の万年筆」を実現したいという願いも込められていたそうです。

その願いは、1967年、世界で初めてプラチナのペン先を付けた万年筆の発売によって叶えられ、さらに2019年、軸もプラチナでできた100周年記念の「センチュリー『ザ・プライム』限定品 プラチナ仕様」(100万円)も世界100本限定で発売され大きな話題となりました。

「銀無垢鍛金磨き」は、東京銀器伝統工芸士である岩村淳市氏の製作による純銀を鍛金によって仕立てた軸に、Pt-20のプラチナ合金による大型のペン先を付けたもの。金属軸の加工技術とプラチナのペン先という、プラチナ万年筆が誇る2つの技術によって作られた万年筆なのです。

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