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メリットが多い?外国人「合宿免許に急増」のなぜ 外国籍の運転免許保有者数は10年で25%も増加

東洋経済オンライン / 2024年7月19日 11時30分

で、これには有効期限があって、時期が来たら更新しないと引き続き日本に滞在できないのだが、その手続きに頭を痛めている外国人は多い。必要書類がたくさんあってややこしく条件は厳しい。

留学生も同様だ。卒業後も日本で就職し、暮らすなら、留学から就労用のものに在留資格を変更しなくてはならない。そのとき運転免許を取得していると、入管(出入国在留管理庁)のイメージがいいのだそうだ。この国でしっかり根を張って生きていく証しの1つと受け止められるのか、在留資格の更新にも影響があるといわれる。

加えて地方で就職するなら日本人と同様、クルマは生きるために必要だ。とくに地方ほど少子高齢化による労働力不足が深刻で、そこを穴埋めする外国人が増えている。こうした地域では会社のほうから外国人スタッフに免許の取得を勧めることもある。

そしてクルマを運転できれば行動範囲が広がるし、日本での生活がより楽しくなる。就ける仕事の幅も広がる。

静岡県の場合はベトナム語で試験を受けられる

ジップラスでは北海道から沖縄まで提携している自動車教習所が110ほどある。参加者はその中から通いやすいとか観光と組み合わせるなどしてお好みのところを選ぶというわけだ。住むのは寮、ビジネスホテル、レオパレスなどさまざま。

冒頭のランさんは静岡県富士市の学校に通ったが、静岡県の場合はベトナム語で試験を受けられること、富士にはなんとベトナム人の指導教官がいることから在日ベトナム人御用達の教習所となっているのである。

「朝7時すぎのバスで寮から教習所まで行って、午後4時か遅いと6時すぎまでずっと実習と、学科のオンデマンドの授業です」

まさに合宿といった感じで「クルマ漬け」の日々を過ごしたランさんだが、もう1人、やはりベトナム人のグエン・トゥイ・ハンさんは兵庫県神戸市で合宿免許に挑んでいた。

「私のほうは日本人のほうがずっと多い学校でした」

兵庫もベトナム語での試験が受けられること、以前に住んでいたことから選んだという。「入校日からいきなり運転でしたが、親切に教えてくれたので安心できました」と話すハンさん、困ったのはルールの多さだ。

「日本は標識もルールもベトナムよりずっとたくさんあって、ややこしいですね」

ベトナムの右側通行から日本の左側通行に慣れることも必要だ。そのあたりを体得するには慣れと経験を積み重ねていくしかないのだろうが、指導する教官の中には厳しい人もけっこういたようだ。

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