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「アニメ頼りの日本映画」がアジアで直面した現実 アジア最大規模のジャンル映画祭で見えた課題

東洋経済オンライン / 2024年7月19日 13時0分

『第28回プチョン国際ファンタスティック映画祭』オープニングセレモニーが開催されたプチョン芸術センターのコンサートホール(画像提供:BIFAN)

コメディやホラー、アクションなど、さまざまなジャンルの映画が出揃った『第28回プチョン国際ファンタスティック映画祭』。アジア最大規模のジャンル映画祭で、7月4日から14日まで韓国・プチョン市で開催された。

【写真で見る】『第28回プチョン国際ファンタスティック映画祭』の様子

今年も日本からは気鋭の新作のほか、旧作を含め20作品ほどが上映。コメディ映画の巨匠として招待された三谷幸喜監督による、マスタークラス特別講演は会場のホールが満席となる盛況ぶりだった。

企画ピッチングで日本映画2本が受賞

映画祭に併設された国際マーケットでは、韓国と日本の映画産業の課題に関するセミナーが行われたほか、映像産業振興機構(VIPO)が支援する日本からの3組が国際共同製作および資金調達へ向けた企画ピッチングに参加。うち2組がアワードを受賞し、日本映画界に新たな風を吹かせた。

その一方で映画祭からは、アジア市場における日本の立ち位置など、課題も感じられた。現地で見えた実情と、アジアにおける日本映画界の未来について考える。

首都ソウル市と、国際空港を擁するインチョン市に挟まれた、プチョン市。そのプチョン市庁舎の緑豊かな中庭で、今年の映画祭のオープニングセレモニーが行われ、日本作品からは『夏目アラタの結婚』の堤幸彦監督や柳楽優弥、『スマホを落としただけなのに ~最終章~ ファイナル ハッキング ゲーム』の中田秀夫監督や、元IZ*ONEのクォン・ウンビなどが参加した。

また、今年の本映画祭のマスタークラス講演には、“コメディ映画の巨匠”として三谷幸喜監督が招待された。会場となった韓国漫画博物館メインホールは、若い世代のファンでほぼ満席。三谷監督のジョークが冴えるエンターテイナーぶりに、会場中が熱気に包まれた。

三谷監督が講演で海外の映画祭に行くことはこれまであまりなかったが、今回はアジア最大のジャンル映画祭ということで、本人が興味を持ったという。

最新作『スオミの話をしよう』のプロデューサーである、フジテレビの玉井宏昌氏は「三谷さんのような時代を超える日本映画の名作を撮ってきた映画監督を、世界中の人にもっともっと知ってもらいたい。こういう場での海外の観客とのコミュニケーションには大きな意味があります。クリエイターとしての三谷さんと、新作を含めて三谷作品群を知ってもらう貴重な機会になりました」と手応えを語る。

国際共同製作および資金調達に向けた企画ピッチングプログラムでも、日本映画界の存在感が感じられた。

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