「医者が嫌いすぎる」夫を襲ったまさかの"出来事" 結婚20年の妻も驚き、彼が受診を決意したワケ
東洋経済オンライン / 2024年7月21日 7時30分
我慢の結果、誠さんの鼻の状態は悪化した。
喉に垂れる鼻水のせいで咳払いをしょっちゅうするようになり、やがて鼻水は頑固な鼻づまりに。鼻が通らなくなり、ようやく耳鼻科を受診したというわけだ。
「いびきも毎晩ひどかったので、ほっとしました。副鼻腔をCT(コンピュータ断層撮影)で撮影してもらったのですが、画像は真っ白でした。医師からは“重症の好酸球性副鼻腔炎”と言われました」(直美さん)
それだけ重度となると、当然ながら医師からは手術をすすめられる。
「完治は難しいけれど、10年くらいはいい状態をキープできるから」とのことだった。しかし、誠さんはこれを拒否。
一方、処方してもらったステロイドの点鼻薬や抗菌薬の効き目にはご満悦で、「悪くなったときだけ耳鼻科に薬をもらいに行く」ようになった。
それも、「薬での治療は限界です!」と医師から手術をすすめられようものなら、「もうあそこには行かない」と、他の耳鼻科クリニックに変える。つまり、ドクターショッピングを続けるようになった。
しかし、この「とんでもない生活」に終止符が打たれる出来事が起こる。
ある日突然「物が二重に見える!」
それはある日の朝のこと。出勤前の夫が玄関先で何やら、騒いでいる。慌てて見に行くと、「物が二重に見える!」というのである。
最寄りの駅まで自転車で行っている誠さんだったが、「これじゃあ、怖くて自転車に乗れない!」と、その日は会社を休むほどだった。
物が二重に見えることを「複視(ふくし)」という。誠さんは数日前から副鼻腔炎の症状が悪化していたことから、複視もその影響と考えたようだ。「目の痛みや顔面痛も出ていました。以前どこかのクリニックでもらった薬が手元に残っていたので、飲んでいましたが、よくならなかったみたいです」と直美さんは振り返る。
そこで直美さんは、副鼻腔炎治療で有名な医師が開業している耳鼻科に予約を取った。いつもの誠さんなら拒否をするところ、この日は素直に応じたという。
「複視も心配でしたが、これを機に手術を受けてくれるかもしれない、という期待もあり、気持ちが変わらないうちにと連れて行きました」(直美さん)
診断の結果、複視の原因ははっきりしないものの、医師からは「手術で副鼻腔炎がよくなれば、複視もよくなる可能性が高い」と言われた。答えを保留にして家に戻ったが、翌日さらに複視は悪化した。
誠さんはついに、「この復視が治るなら、手術をしてやってもいい」と言い出したという。
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