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「医者が嫌いすぎる」夫を襲ったまさかの"出来事" 結婚20年の妻も驚き、彼が受診を決意したワケ

東洋経済オンライン / 2024年7月21日 7時30分

「『してやってもいい』というのは、医師に対して『なんて失礼な!』と思うかもしれませんが、これは負け惜しみのようなもの。夫が不安でたまらないであろうことは、そばで見ていてわかりました」と直美さん。

その後、誠さんはクリニックから紹介された大学病院で精密検査を受けた。そこでも複視の明らかな原因は不明だったが、検査を受けている最中になぜか複視が治ってしまった。

ともあれ、手術は決行された。内視鏡での日帰り手術ができることから、前出のクリニックに戻って、受けることになった。

「『全身麻酔は信用できない。局所麻酔だから手術を受けるんだ!』などと最後まで、意地を張り続けていました」(直美さん)

誠さんは内視鏡を使って副鼻腔の膿を取り除き、きれいにする「副鼻腔手術」のほか、症状を悪化の原因である鼻中隔(びちゅうかく:鼻腔の内部を左右に仕切る壁)の曲がりを矯正する手術、鼻水を抑える後鼻神経切断術を受けた。

手術はうまくいき、「鼻が通るようになった!」と誠さんは喜んだ。

ただし、直美さんによれば、これで誠さんの医者嫌いが治ったわけではなかった。手術後、クリニックに通わなくなってしまったのだ。

「再手術といわれるのが怖いのかもしれません。困ったものですが、今のところ症状はひどくなっていないので、しばらくは様子を見たいと思います」と、直美さんはあきれ顔で話す。

総合診療かかりつけ医・菊池医師の見解

総合診療かかりつけ医で、きくち総合診療クリニック院長の菊池大和医師はこう話す。「まずは鼻の手術を受けることができて、よかったと思います。鼻水、鼻づまりが続くとQOL(生活の質)が低下し、仕事への影響が出かねません」。

クリニックにも、副鼻腔炎の症状でやってくる患者は多いという。

「鼻水が喉に落ちる『後鼻漏(こうびろう)』はけっこうつらいのです。副鼻腔は額や目の近くにあることから、顔痛や目の痛みを訴える人も多いですね」(菊池医師)

また、病気の種類にかかわらず、病院嫌いな患者は珍しくないそうだ。

「中年以降の男性に多い印象ですね。ご家族に言われてしぶしぶ受診される患者さんは、けっこういらっしゃいます」という。

このような患者を検査すると、たいていの場合、何らかの病気が見つかる。

「家族が気にするくらいですから、当然といえば当然なのですが……。ご本人もおそらく、異変に気づいていると思います」(菊池医師)

病院嫌いの人に、無理に「受診しろ」とは言えない。一方、「短期間で病気をしっかり治したいと思うのであれば、ドクターショッピングはせず、同じクリニックに通い続けるほうがいい」と菊池医師は言う。

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