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死んだ「小さなトカゲ」が訴える飼い主への"望み" 「砂漠で暮らす動物が暑さで死ぬ」という意味

東洋経済オンライン / 2024年7月21日 11時30分

爬虫類は変温動物といって、哺乳類や鳥類のように自分で体温をコントロールすることができません。体温がまわりの環境の温度に依存するのですね。そのため、飼育環境の温度が適切に維持されず、餌を食べなくなったり病気になったりして死に至るということがしばしば起こります。

自分で体温を調節できない爬虫類を飼うということは、“爬虫類が生息している環境そのものを飼うこと”に等しいことなのですね。そのため、爬虫類を飼育するためには、生息環境を理解しておくことが大切です。

原産地が中央アジアの乾燥地域ということで、暑さには強い印象がありますが、もともと昼間は朽ち木の下などでじっとしている夜行性の動物であり、飼育に適した温度は26~32℃です。

みなさんもご承知のように、日本の夏は32℃を上回りますし、冷房のない室内ではさらにその気温より高くなります。特に今の時期には、脱水から腎不全や痛風を起こして亡くなる個体が増えます。

冬は冬で、飼い主が「このくらいの寒さなら大丈夫だろう」とヒーターを入れなかったり、停電や故障でヒーターが止まってしまった結果、活動量が極端に低下し、餌を食べなくなったり、消化器官に残った食べ物が排出されずに腐敗したり、冬眠状態に入ったまま体力が尽きたりして亡くなることがあります。

反対に、寒さを気にするあまり温度を高くし過ぎて脱水を起こしたり、火傷を起こしたりすることもあります。

よく観察して性格を把握する

飼育ケージの床材としてよく使われるソイル(赤玉土)を飲み込んで、腸閉塞を起こす個体もいます。

餌と一緒に誤飲してしまったり、餌のにおいがついていて餌と勘違いしたり、何か足りない栄養素を補おうとして食べたり、あるいは単なる癖だったりと理由はさまざまで、体の小さな幼体でしばしば起きます。

ただ、幼体であればソイルを飲み込むというわけでもありません。同じ親から生まれた同腹の個体でも、振る舞いには大きな個体差が出ます。そのため、飼い主は自分の飼っている個体がどのような「性格」をしているかを、日頃からよく観察して把握したほうがいいのです。

ソイルの飲み込みが観察されたなら、床材は口にすることができない大きさのソイルに変えたり、あるいはキッチンペーパーなどに変えたりしてしまうのも手です。見栄えはソイルより劣るかもしれませんが、掃除は楽になりますし、飼育のランニングコストもソイルより下がります。

たくさん飼育しているブリーダーの方は、飼育効率を重視してキッチンペーパーを使うことが多いようですね。

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