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「四季報丸写し」が会社員人生に与える驚きの変化 300社やれば絶大な効果を発揮

東洋経済オンライン / 2024年7月21日 8時50分

1を聞いて10を調べるっていうことを繰り返すと、どんどん栄養が頭の中に入っていきます。私自身も今年59歳なので、情報をどんどんインプットしないと、枯れたアウトプットしか出てこなくなってしまいます。

エンジンの排気量が大きくても、ガソリンを入れないと走らない。すごく肥沃な土地も、しばらく収穫を繰り返すと、肥料がなくなってダメになっちゃう。これとまったく同じことで、新たな情報という栄養が入らない限り、荒れ地化します。とくに若い方には、なるべく早く写経を始めたほうがいいよと話しています。とにかくアウトプットを気にせず、ひたすら情報を頭にぶち込む期間を作るべきだと思います。

ーー個別銘柄だけでなく6~7ページの「業種別業績展望」も重要だとか。

たぶんほとんどの人が見ていないと思いますが、この冒頭の2ページは非常に重要です。書き写している企業が、業界平均と比較して良いのか、あるいは悪いのか、ということを意識することが大切です。

あともう1つ、個別銘柄ページ以外に重要なものがあります。それは広告です。四季報にどのような会社が載っているのかをちゃんと把握してほしいと思います。

四季報に広告を載せるっていうことは、経営者がそうとう自信を持っているはずです。これから業績がガタガタになるのであれば、そんなところに広告を載せている場合じゃないので。広告を出している会社を写経してみると面白いと思います。

時間と量の積分値は大きな武器になる

ーー継続の大切さも説いていますね。

シニアにあって、若者にないのは、長い歴史と過去の経験です。しかし、これも四季報写経を過去から行うことで、過去の経験とデータを一気に得ることができます。皆さんの先輩方が蓄積したデータを全部栄養分として吸収できるのです。

そして、継続することが大切です。差別化というものは基本的に時間と量の積分値。積分値となった差別化というものには、そう簡単に追いつけないので、本当に強いのです。

ーー株式投資にも役立つと思いますか。

絶対に役立つのですが、私自身にはちょっと苦い経験があります。15年ほど前に、持続的に成長を続けるに違いないとの仮説を立ててアスクルやモノタロウ、10年前は米国四季報も写経していたので、AMD、NVIDIAなどの株式を購入したことがあります。PCはインテル、携帯はクアルコム、AIや自動運転はNVIDIAと仮説を立てました。2015年のドリームインキュベータのセミナーで発表もしました。ところが、上がり始めてしばらくすると、欲にまみれてすぐに手放してしまいました。

株価が少し上がり始めると、どうしてもこのくらいで利益を確定させてしまいたい、と考えてしまいます。今振り返ると、AMDやNVIDIAは本当に惜しい魚を逃したな、と思います。四季報写経によって強い仮説を持つようになれば、自分を信じて少なくとも10年くらいは握り締めないとダメなのでしょう。

でも、それがけっこう難しい。本家の般若心経を毎日写経することで、欲に負けない精神力を鍛えないといけないのかもしれません。

山田 俊浩:東洋経済 記者

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