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「最高益の会社」の株価が上がらない当然の理由 相場に影響を与えるのは過去のデータではない

東洋経済オンライン / 2024年7月22日 16時0分

「過去最高益」を達成した会社の株価が値上がりするわけではないという(写真:yosan/PIXTA)

株式投資で「5万円から1億円を作る」ことはじゅうぶんに可能――。そう語るのは、35年以上に及ぶ投資歴を持ち、投資関連の著書が累計140万部を超える安恒理氏。株式投資で失敗しないための適切な「売り時」の判断基準について、同氏が具体的な例をもとに解説します。

※本稿は、安恒氏の著書『5万円からはじめる! 1億円を作る株式投資』から、一部を抜粋・編集してお届けします。

「最高益」のニュースで株価が下落する理由

昔の話ですが、こんなシーンがありました。私の周りで株式投資をはじめたばかりの人がいました。その人がある日、日経新聞を私に見せながら、

【グラフ】直近の「最高益」を達成したANAホールディングの株価推移

「おい、この○○社、『最高益』だってさ。オレ、この株買おうかな」

その時の私の反応は、懐疑的であまりいい顔をしていないはずでした。

「どうだろうね。私には判断つかないが」

その人がその銘柄を購入したかどうかはわかりません。ずいぶん前の出来事なので、どういう銘柄かまでは覚えていませんが、後日、あの時の株がどうなったか調べた記憶があります。

そして、確かにその後、株価は下落していました。

「最高益」という実績は、過去のデータです。これからも業績が上がっていくかということとは無関係です。そして、最高益というニュースは、事前に株式投資家やアナリストたちにある程度予想されていたに違いないのです。

ちなみに「最高益」「2024年」でネットで検索してみました。具体的に出てきた銘柄は、ANAホールディングス(9202)、ホンダ(7267)、SCREENホールディングス(7735)が直近の「最高益」銘柄でした。そして、チャートで確認してみると、ほぼ「最高益」のニュースには無反応でした。それどころか下落に拍車がかかるケースもあったのです。

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

事前に「最高益が出る」という予想はアナリストなどからも発信されているケースがほとんどで、その段階で株はすでに買われて株価は高値圏にあります。「最高益」のニュースとともに「次期はさらに業績は伸びる」というニュースでもついていなければ、この最高益がピークと見て、株の売り物が出がちになります。

これは特に「材料出尽くし」といわれています。「知ったらしまい」という投資格言もあるくらいです。「噂で買って事実で売れ」という投資格言もあるように、投資家の目は常に未来に向けられているのです。

「事故」「災害」は株価を下落させるか

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